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私はその後
周りがびっくりするぐらいの速度で
借金を返済した｡
あの日､翔さんから聞いた話を
雅紀の思いを無駄にしたくなかった｡
そのために私は元々働いてた職場はそのままで
一般職から総合職に移って毎晩遅くまで仕事をした｡
幸い､借金をしたところが良心的なところだった様で
取立に怯えたり金利が法外だったりという事はなかった｡
半年で私は完済し終えた｡
｢五十嵐さん､もう借金したら駄目だよ｣
貸金業者の人にまでそんな事を言われてしまって
何だか複雑な思いもしたけれど｡
完済したら､La tormentaに向かおうと思っていた｡
だけど完済した今､どうしても行けなかった｡
あんなに必死に止めてくれた雅紀を裏切るような気になったからだ｡
La tormentaに行かない代わりに私は郵便局に行って
半年前に渡せなかったものを送る事にした｡
半年前の約束を果たしたという証明に｡
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作者名：きょん | 作成日時：2017年11月9日 22時
