Life goes on. (ページ13)

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13__樹side(修正済み) ページ13

俺の隣を歩く慎太郎はいつもふざけてて大きな口を開けてよく笑う。

かと思えば、いきなり凛々しい表情になって俺の調子を狂わすんだ。

けどそんな関係も良いのかもしれない。

慎「やっぱ海風は気持ち良いなー」

「最高だよな」

風に当たりながら浜辺をゆったりと散歩する。

『樹』

後ろから俺を呼ぶ声がした。

振り返って相手の顔を見た瞬間、身体が雷に打たれたような感覚に陥った。

「………父さん……」

またそう呼ぶ日が来るとは思っていなかった。

鬼の形相で怒鳴り散らかすあの頃の父の顔が重なる。

慎「え、樹のお父さん？？」

若干戸惑い中の慎太郎の手を取って急いで立ち去ろうとした。

父「樹、今幸せか？」

「…貴方には、もう関係ありませんから…」

そう伝えて早足で歩いた。

慎「ちょっと樹。どうしたんだよ」

気が付くと公園まで来ていて父の姿はもう見えなくなっていた。

それでも、血の気が引いたように痺れと動悸が襲ってくる。

やばいかもしれない。

「しんたろ、ちょっと…水買ってきて…」

慎太郎を向かわせて、ベンチに座って治まるのを待とうと足を踏み出したが、突然バクバクともの凄いスピードで心臓が暴れだした。

「ぃっっ！？！！」

立っていられない程の痛みにパニックになりその場にしゃがみ込んだ。

何故かどんどん痛みが増しているような気がして心臓の辺りをぎゅっと掴む。

「ぐっぅ……はぁっはぁっはぁっ！」

慎「ゅり…！じゅり！！！」

あまりにも自分の心臓の音がうるさくて、慎太郎が何を言ってるのか分からない。

徐々に朦朧としていた意識がここでプツンと途切れた。