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三十八話 ページ40
凜月SIDE
寝た、よねぇ。
兄者から聞いてたというか兄者が一方的に話してたとはいえ、やっぱり驚く。
俺のことを他人だと思ってる悲しさも、寝顔の可愛さで思わず許してしまう。
相変わらずだよねぇ。
警戒心の無いところも、寝顔も、血の甘い匂いも。
あの時何で逃げたのかは正直謎なんだけど。
両親は要らなかったよねぇ、あんな屑。
やっぱり姉を殺したからかな。
藍香お姉ちゃん大好きだったもんね〜。
俺たちのこともお兄ちゃん、お兄ちゃんって呼んでくれたけど、頼ってたのは姉の方だった。
だから、邪魔になったのに。
何時も、いつもいつもいつもお姉ちゃんで、俺たちには全然頼ってくれなかった。
凜月「はぁ･･･」
離したくないという思いで、強く抱き締めれば、それに呼応したかのように
藍香「･････････････････････ん･･･････････････お兄･･･ちゃ･･･ん････････････」
と呼んでくれる。
うん、姉も消しといて正解だよねぇ。
小さい頃、こうやって一緒に寝たとき、寝言は殆どお姉ちゃんだったし。
今だけは、兄者を褒めとこ。
それにしても、お兄ちゃん呼びは嬉しいねぇ。
セッちゃんの気持ち、わかった気がする。
よし、一通り寝顔みて満足したし、もう寝よ。
凜月「じゃあおやすみ藍香♪」
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作者名：エル | 作成日時：2022年9月29日 20時
