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十六話 〜過去編1〜 ページ18
小学校高学年当たりから中学校の頃、病まれることが増えた。
下駄箱にも、机の中にも、どこもかしこも、当たり前のように歪んだ愛が溢れていた。
幸にも、十代のヴァイオリ二ストという珍しさもあり、仕事を理由に休むことはできた。
別に学校に行かなくても良いくらいの学力もあった。
ただ、そんな事をしても無駄だと分かったときから、そんな考えは無駄だと分かったときから、生きていると、思えなかった。
一時期途切れたと思ったのも、つかの間。
実は孤立していた。
それはそれで嬉しかったけれど。
そんな平穏も、長くは続かず。
私は監 禁された。
それが、さっきの人だ。
名前は知らん。
本当に、業務的な会話さえしたことがない、クラスメイトでもない。
正直、どこで病んだのかさえ知らない。
そんな人だった。
逃げ出したこともある。
その時に手伝ってくれた親友は、殺されてしまったけれど。
今でも、思い出すことができる。
その時に残った思いといえば。
私が殺したのと同じなのに、私はのうのうと生きている。
そんな後悔だけだった。
時間の感覚もなく、過ぎていくだけの日々の中で、ようやくきた助けが来た。
その人が今の同居人で、私の希望になった初めての人だった。
因みに、何故彼処にいたのか、一回だけ聞いたことがある。
返答は「なんか〜いい匂いがして、その匂いを辿ったらついたっす〜」
という、なかなかにふざけたものだったけれど。
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作者名：エル | 作成日時：2022年9月29日 20時
