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二十話 ページ22

藍香SIDE


ちょっと、よく、分かんないな〜・・・。

どういう事?え?他の人達は分かってる顔してるんだけど。

いつ話したのか、何の意図があってやったのか、全然分からない。

人の心って難しいな…分かればあの時も、最善の選択を選ぶことが出来たかも知れないのに。

そんな事を考えているなんて、顔には出さないようにしながらひなた達について行くと、半強制的にベンチに座らせられた。

そしてひなた達が周りを囲むのだが、端からみればかつ上げされているように見えなくもない構図。

アイドルが不審者紛いのことしてはいけないのではないか。

ひなた「よし!じゃあ聞いていい?過去、他にも何か有るでしょ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

えっと、え?何で、わかる?何で?え?

藍香「何故?何故そう思ったんですか?」

気丈に言ってみようと意気込んだのに、出てきた声は震えている。

演じろ、私。

何もない風を装い、何も知らないというものを演じるんだ。

ひなた「だってさ〜『お姉ちゃん』って言ってたけど、さっきの話じゃ何処にも出て来てないよね〜普通のお姉ちゃんなら、『会いたいな…』じゃないよね〜」

言ってたっけ言ってたのかな…無意識か?無意識なのか?

ひなた「どうなの?」

どうしよう…言ってみるのも手だ。

そうすれば私から離れて貰えるかもしれない。

藍香「そうですね…お姉ちゃんはもう、この世には、居ないですから。会いたくても、会えないんです。会えるわけが、無いんです」

半ば言い聞かせるようにして言う。

仮面は、被っておくんだ。

そう自分に言っておきながら。

過去の物語を読み聞かせる前に。


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作者名:エル | 作成日時:2022年9月29日 20時

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