どんだけだよ ページ9
「しかし、私たち結構距離離れていると思ってたんだけど、結構簡単に会えたね」
「うん…。最悪な形でね」
こういうことは別に珍しくないが、いずく君と私の距離は結構なくらいあったんだけどなぁ。
本当に、不思議だ。
「こんな私じゃ避難誘導は愚か、あいつと戦えるかどうか…。
ごめん、凄い足枷だ。
それでも、数分ぐらいは時間稼ぎできるから、いずく君は急いで周りの人達を避難させて」
「わかった。一応気をつけて欲しいんだけど、あいつ、かなり早いから気をつけて」
「了解っ」
それだけいうと、いずく君はとんでもない速さで逃げ遅れている人たちを救い出す。
こっちも頑張らないと。
泉の水をすべて引き出し、私の頭上にそれを固まらせると、私はその水でヴィランを縛り上げる。
「地味にいけ…るわけないか」
縛り上げたと思った瞬間、ヴィランは目にも見えない速さでそこから消えた。
いや、目には見えていたが、それに追いつけるほどの速さで捕まえることはできなかった。
要するにボこらないと捕まえることは無理と…。
これは骨が折れそうだ。
水を分解し、大きな粒を空中に増やすと、ヴィラン目掛けて打ち続ける。
これぐらいあれば一発ぐらいあたってくれるはずなんだけど。
ドカンドカンと、撃ちまくるが、それは一向にヴィランに当たらない。
「ねぇこれって近距離のほうが有利だったりしない?」
一向に当たらないどころか、一度あの動きを止めないことには無理だ。
大粒を今度は足の下に作り、それを爆発させて飛ぶ。
「おりゃぁ!!」
水を鋭く尖らせた剣でひと振りするが、それは寸前のところでよけられる。
なんでだよっ!いらつくなぁ!!
敵が避けた方向へすぐに足元に水を作り爆発させ、それが数分続く。
「かっちゃんどこ…」
流石に水も尽きてきた。
いずく君も、ここら辺一帯の地形を把握していないこともあるだろうが、地味に夜は人通りが多い場所だ。
かなり時間がかかっている。
水に関しては補充はできるが、私がもつかどうか…。
しかしなかなか応援がこない…。いや当たり前なのだけど。
私の携帯は見事事務所のソファの上だし、いずく君も私が応援を呼んだと思っているのだろう。
しまったなぁ。なんて思っても、まさかあの時の私がここまで苦労することを予想できたはずもない。
最悪はまだまだ続く。
「しまっ!!」
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作者名：雪飴 | 作者ホームページ：https://twitter.com/_kz_0
作成日時：2017年7月24日 0時
