大介くん、未来で待ってる！ (ページ27)

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ダメだよ、お姉さん佐久間side ページ27

佐久間side

昔の俺がひょっこりと顔を出したのと同じように、
お姉さんも俺を昔の俺と重ねているようだった。
お姉さんが聞いてくる質問は
どれもこれも『だいすけ君』に対してのもので、
それでいて俺の記憶にあるものと全く同じことだった。
だから余計に嬉しくて、
お姉さんが『だいすけ君、ぎゅーする？』なんて聞いた時には二つ返事で答えた。

…メンバーに邪魔されたけど。
でもどうしても
ギューってしたくてお姉さんの腰に腕を回した。
お姉さんは気付いてないみたいだけど。
そんなことをしてたら電話してたいつもの記者さんが帰ってきて俺のことを指摘した。
お姉さんにも離れてって言われた。
それがすごく嫌で悲しくて、だから『やだ』って言ったらお姉さんは帰ってきた記者さんと喋ってた。
そしたら次は阿部ちゃんのところに行こうとした。

さっきよりも『嫌』の気持ちが強まった。
俺たちを支える言葉をくれたお姉さんには
阿部ちゃんはもちろん、大切なメンバーとも仲良くして欲しかったはずなのに。
なのに阿部ちゃんのところに行こうとしてるお姉さんに
阿部ちゃんのところに行って欲しくなくて自身の腕に力を入れた。

だめ、だめだよ。
お姉さんは俺のでしょ？
他の人のところに行ったらだめ。
俺の大事な大事なお姉さん。
おれの、俺だけの。

どうすればいい？
お姉さんを離さないために。
どうすればいい？
お姉さんが離れないために。
どうすれば、どうすれば

どうすればお姉さんは俺を見てくれる？
なんて、本当は分かってる。
言ったでしょ、憶えてるって。
俺ね、お姉さんを忘れたことなんて一度もないんだよ。
だからね、憶えてるんだよ。
俺があの時ミサンガにした『お願いごと』。

ねぇ、もういいでしょ？
ミサンガ、切れたよ。
もう迎えに行けるよ。
お姉さんが言ったんだからね？
『だいすけ君が大きくなってもお姉さんのことが好きだったらお姉さんのこと迎えに来てね。
ただし、ちゃんとミサンガが切れてから来ること。』って。

お姉さんは俺が小さいから大人になるにつれて忘れていくか自分よりも好きな人が出来るだろうと思ってそう言ったんだろうけど、ごめんね？
俺、お姉さんと再会してからもうお姉さんのことしか頭にないの。
今までの恋なんか比にならないくらいドキドキしてるの。
だからね、もう離れてあげない。
もう、離してあげない。