大介くん、未来で待ってる！ (ページ2)

今日:11 hit、昨日:37 hit、合計:87,743 hit

子供の声はほっとけないページ2

貴女side

貴女「うわぁ、ここが東京…。人多いな。」

拝啓、地元のお父さん、お母さん。
私は今、東京に来ています。

就活で運良く東京の会社に内定を貰い、
絶対に意地でも上京してやると奮起してたから
凄く嬉しい！！

生活になれるため入社式の1か月前である昨日引越しして、新居に荷物も置いて、
荷解きはまだ…できてないけど、
一応寝床は作っておいた私が今いるのは…

秋葉原でーす！！
念願の！秋葉原！！
地方民は金銭的になかなか足を踏み入れることが出来ないオタクの聖地秋葉原！！

いや〜、嬉しいよ！
嬉しさで飛び跳ねそう！！

てか…どこから回ろう。
え、待って決めてなかった。
衝動で行動してた。
まぁお金もおろしてあるし、メイドカフェ行ってからアニメイト…ってのもありだよね！
よし、それにしよ！

？「お母ちゃん…お母ちゃん…どこ…？」

…ん？
待って、いま声が聞こえたような…
しかも声めちゃくちゃ幼かったんだけど、
もしかして…迷子？

てかなんでみんな素通りしてるわけ？
え、子供の声聞こえてるよね？
私だけじゃないよね？？

？「お母ちゃん…どこいっちゃったの？」

…これ、まずいよね。
下手すれば誘拐される可能性もあるよね。
その前に一緒にお母さん見つけてあげないと！
どこ？
どこから聞こえてくる？
耳を澄ませないと…

？「お母ちゃん…」

貴女「…右っ！」

その後、私はめちゃくちゃ走った。
50m走10秒台の体力がない私はすぐにバテちゃったけど、それでも子供の泣きそうな声を放っておくわけにはいかなかった。

私も昔家族を見失って怖かったっていう記憶がある。
だから少しでも早くお母さんに会わせてあげたかった。

子供の声だけを頼りに子供を探した。
そしてようやく、

貴女「見つけた…」

建物と建物の間、その狭いところに子供がいた。
うずくまって「お母ちゃん、お母ちゃん」って言ってるこの子供のお母さんを早く見つけなきゃいけないと思った。

だから私はできるだけ優しい声を意識して、
その子供に話しかけた。

貴女「どうしたの？」

？「っ！」

ばっとこっちを見上げる幼い顔。
可愛らしい小さな二つの目からは大粒の涙がこぼれ落ちそうだった。
それをぐしぐしと拭った子供はもう一度こっちを見て

？「…おねえさん、だぁれ…？」

そう言うもんだからなんだか愛おしくなって
さっきよりも優しい声で

貴女「お姉さんはね、Aっていいます。
…君のお名前は？」

そう言った。