ストーカーさせてください! ページ2
「幻太郎さん!今日のお昼は何がいいですか?」
「何でも構いません。それよりも幻太郎と呼ぶことを許可していないので即刻やめて頂きたい」
彼女と出会ってから早1日。
ストーカーになりたいと宣言して来た少女は夢野幻太郎の隣にいることを勝ち取った。
──── 「……は?」
何を言ってるんだ、目の前の少女は。
と、訝しげな顔で少女を見る幻太郎。
少女は更に続ける。
「私、あなたのストーカーになりたいです!ストーカーさせてください!」
──── させて下さいって…。
散々して来ただろ。
半ば呆れたように彼女を見れば、少女は再び更に続ける。
「私、思うんですよ!ただつけて回るだけじゃストーカーとは言えないなって。敢えてあなたのストーカーですって告げて、ストーカーをしたら立派なストーカーじゃないかなって!」
バカだ。
これはもう一目瞭然の馬鹿である。
というかそもそもなんの話だ。
幻太郎は呆れて物も言えずに本を鞄にしまい、立ち上がった。
「アレ?ストーカーの件、許してくれるんですか!?」
キラキラとした瞳を幻太郎に向ける少女。
幻太郎は鼻で笑い「まさか」と言う。
「これから警察に向かいます」
「今のもう一度やってくださいぃぃぃ!」
「は?」
警察に向かうなどとほざけば焦って帰るか。
と、そう思って行動をとった幻太郎が迂闊であった。
彼女は既に普通じゃない。
故に、鼻で笑うことも警察に向かうことも彼女にとっては一種のご褒美であった。
「もう一回鼻で笑って蔑んでください!」
「……やれと言われるとやりたくなくなる心理をご存知ですか?」
──── あー…。
どうやって切りぬけよう。
密かに幻太郎はそう考え、焦った。
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M0S(プロフ) - 凄く面白いです!続き期待!!応援してます!! (2018年12月24日 0時) (レス) id: 22a91c5a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天高 星 | 作成日時:2018年9月10日 20時