五十九話 ページ12
Aside
多「社長……？
それに、乱歩さん？」
扉を開けると、社長と乱歩さんが立っていた。久しぶりだ。
乱歩さんとは少し前にあったけど。
江「やあ！
今日はね、Aがこれからどうするかについて話に来たんだよ！」
多「…そうですか。
中にどうぞ。ああ、まだ事件の後から片付いてなくって……。少々血が気になるかもしれないですけれど……。」
出久は気付かないだろうと思ったけれど。社長たちは慣れてるだろうから気になるかもしれないと思った。
福「構わん。」
中に通し、お茶を出した。
社長は神妙な顔で相変わらず何を考えているのか全くもって分からない。
多「それで、話とは……。」
福「…Aの身元保証人についてだ。所謂保護者が決まらないと聞いてな。
Aはうちに入社するのが決まっている。入社試験も突破したしな。
そこで、だ。」
そういった社長から出た言葉は、驚くような提案で今の私にはとても魅力的なものだった。
福「…ヨコハマに来ないか？」
もしも、誰も引き取らないとなったらヨコハマにいくことも考えた。
でも、迷惑をかけるかもしれない。
私はこんなだから。
住むところもないし、もし問題が起きたら？社に迷惑がかかる。
多「…いいんですか……？
迷惑を、かけるかもしれません。何より、私マフィアとも一度一悶着ありましたし……」
福「構わん。
マフィアとのこともあるからヨコハマに来た方がいいと考えたんだ。
社員も喜ぶ。
住む場所なら寮に来ればいい。私が身元保証人になろう。正式な社員になるまでは、家賃は払わなくてもいい。」
江「遠慮せずに来なよ！
皆、楽しみにしてて君が来るのを待ってるんだよ！それに、ヨコハマに来れば雄英高校にも通えるだろう？
君はヒーローになるためにあの高校にいるんじゃない！辞めなくて済むしね！」
嬉しかった。
親戚が皆、嫌がっていてすごく嫌だった。私は必要ないと言われた気がした。
だから、嬉しくてたまらなかった。
多「……っ、ありがとう、ございます……！」
母さんが、兄さんが、父さんがいなくなって開いた哀しみは多分、一生癒えない。
それでも。
きっといつか乗りこえることはできるはずだ。
私の存在を認めてくれる人はいた。
出久もそうだった。きっと、クラスの皆も相澤先生も、きっと。
やっと気付けた。
前を向いて、私は生きていくよ。
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夢女子S氏(プロフ) - ちょっと、目から塩水が止まんないじゃないですか……神作品をあ"り"か"と"う"こ"さ"い"ま"す"っ"！！ (2021年6月27日 16時) (
レス) id: 355241a2ce (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - あれ……目から水が……更新待ってます！ (2020年3月2日 11時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月1日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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