九人目 ページ10
佳奈sids
探偵社を辞める準備を始める。
まず、威力がかなりのものの爆弾を用意する。
この爆弾は後で部下に解除させる。この部下は、入ったばかりの時に縛り上げてはかせたらあっさり、特務課と言うのを認めた。
つまり、特務課のスパイ。
その後、何故か懐かれたので黙っている代わりに手伝わせている。
その後、社長に退職届を書いて出す。
夜に誰も居ない中、爆弾を仕掛ける。
そして、今。
社長に退職届を出している。
福「…何かやりたいことを見つけたのか?」
佳「其もありますが、自立したいんです。
今まで、社長に頼りっきりでしたし、もっと、色んな世界を見てみたいんです。
其は、探偵社では出来ない。そう思ったんです。
乱歩には、言いません。話したら、決意が揺ぎそうな気がして。
すみません。」
福「…そうか。達者でな。」
とりあえず、第一関門クリア。
後は、夜に爆弾を仕掛けるだけ。
何か異例の事態があっても、時間になるまで爆発しない筈だから、取り敢えず、あいつには特務課と言うことにして、入って貰おう。
その方が、後々面倒が減って楽だ。
爆発を仕掛けたのは、その方が、いいと思ったから。
私が敵と思わせるため。その方が、いいだろう。多分、気づかれては、いない。
私が敵と思わせることで、いろいろ、警戒するだろうし。
ユートピアはまるで悪魔だ。どんな人間でも依頼があれば殺す。一度、生の依頼で助けた人も、殺す。
ボスは其を正義と信じている。自分のユートピアには其が必要だと。
この人の信念が変わらない限り、私はこの底無し沼からは抜けられない。
私には、キラキラした、未来も、楽しい明日も存在しない。あるのは、殺しだけ。
生の依頼もやるし、そちらの方が好きだけれど、圧倒的に殺しの方が多い。
あの時、あの人はあぁ言ったけれど、私にそんな資格があるとは思えない。
未だにこの世界から足を洗えないのだ。
鏡花ちゃんが、憧れたのも、分かる。
光を、見つけてしまった。
私には、一生なることのないもの。
絶対に見つけてはいけなかったもの。
闇で生きるものは闇でしか生きられない。
こうして、生きている私が不思議でならない。
私のような人間が死ぬべきなのに。
生きるべき人達を何人も殺して来たのに。
私は何故、生きているのだろう。
その答え、きっと探偵社なら見つかったのに。
一体、いつ死ねるんだろう。
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作者名:ゆい | 作成日時:2018年12月15日 22時