三十三人目 ページ34
佳奈side
佳「君がため、か____________」
ゆっくりと、歩き出す。
異能力を使って姿を消す。
前に歩き出す。
結局、私は誰からも愛されたことなどない。
両親からも。アイって何なんだろう。
私は、愛されなかったこと、人を殺して来たこと、その全てから逃れることを許されない。
其が、いや、生きていること自体が、私の罪への罰。
投げ出すことも、許されない。
死に逃れることも許されない。
此の罪を私は一生背負って生きていく。
そして、今日もまた人を殺す。
もう、13058程じゃないか。
ターゲットは目の前。
後、一歩。
進めない。
沢山の人間を殺したのに。
この人が、此の、たった、一歩が進めない。
やらなければ。
私に其以外の選択肢など無い。
でなければ、あの子達まで_________
ナイフを握り締める。
飛び掛かった。
私は首を捕まれ、投げられ、押さえ込まれる。
まるで、映画のワンシーンだ。
見つけて、くれた。
私を、漸く、捕まえてくれた。
心の何処かでずっと願ったこと。
誰かに、この私を捕まえて欲しかった。
佳「かはっ。
____________お願いです。
__殺して。」
福「…………………出来ん。」
佳「同情など、いらない。
ならば、殺す、までっぐぁっ。」
首を締められる。
このままでは、意識を落とされる。
駄目だ。
しくじれないんだ。
私はどうなってもいい。
でも、あの子達は_____________
?「…………ちゃん!……………て!!!」
其処には、必死に車の窓を開けようとする、幸助たちがいた。
大型バス。
そのまま、走って行く。
嫌な予感しかしない。
しくじったから?
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
朦朧とする頭を抱え、ナイフで心臓を突き刺すと見せかけて、逃げた。
佳「待って!!!」
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作者名:ゆい | 作成日時:2018年12月15日 22時