二十六人目 ページ27
佳奈side
辺り一面の血。
血。
血。
目の前にいる子は、何時も私にありがとう、を言ってくれた。
その奥の子は、無口な子だが、友達が沢山いた。
その右の子は、皆を何時もまとめてくれていて、何時も先生の方々を助けていた。
生きる希望に満ち溢れた子達。
私の、原点。
助けると、誓ったのに。
誰一人救えなかった。
私は、無能だ。
大切な人一人救えない。
あの人は、私に資格があると言ってくれたが、そうはとても思えない。
私は、この院の職員の人含めて157人を殺した。
誰かの、泣き叫ぶ声が聞こえた。
私の、声だ。
失敗の代償。
任務の電話が鳴り響く。
他にも、やるべきことが私にはある。
この子達の埋葬は、国に任せよう。
私の、殺した数に、61859人に157人が増やされ、
62016人となった。
あの子達は、救えるかもしれない。
私には最早資格は無い。
人を救う資格など。
其でも、孤児院で入ることが出来ず養った、あの5人の子供たちを____________
私と同じ異能の後天的移植実験の被験者の子供たち5人を_________________
救いたい。
何で、もっと早く100億稼がなかったのだろう。
何で、先に100億を払わなかったのだろう。
何故、あの時5億支払ったのだろう。
後悔が押し寄せる。
私は、逃げる。
この事実、現実から逃げるんだ。
そして、殺しに手を染める。
もう、これ以上に無いくらい、黒に染まった手を更に染めていく。
最後には_________________
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あの子達を救うこと以外、どうでもよくなった。
殺しをしてしまう自分にも、何も思わなくなった。
何も信じられない。
ボスはこうなることを呼んでいた。
今の私に残っていたのは、信じられたのは、
己と、
技術と、
金と、
殺せば人は死ぬと言う事実だけだ。
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作者名:ゆい | 作成日時:2018年12月15日 22時