change (ページ10)

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「あ！そうだね！とりあえずお兄さんこっち来て！」

綺麗な顔をしたお兄さんが提案した見てもらう、とは何なのだろうか

「俺らの音楽です。見てください」

俺が不思議に思っていたのが顔に出ていたのか、そのお兄さんが笑いながら教えてくれた

……その顔が堪らなくかっこいい。

あの重たい扉からから1番離れた場所に行くと、それぞれが自分の楽器の前についた

「じゃ、お兄さん！私たちの音楽とりあえず聞いてみてください！」

1.2.3のカウントの後に鳴り響いた音楽は、その瞬間俺の心を揺れ動かした

.

.

「ふふっ、どうだった？(笑)」

彼らが奏でる音楽はとても素人のモノとは思えなくて。途中で俺はのめり込んでしまい、終わったことに気づかなかったくらいだった

『……イヤ、あの。ほんまに凄くて…。あなたたちは、

プロの方なんですか、、、？』

終わった後も余韻が凄く、沢山言いたいことがあるのに口に出せなくて。

そんな俺の前に彼らは嬉しそうに並んだ

「では改めて。” change “ です！！！」

濵田さんがそう言った後に全員が俺にペコっと頭を下げた

「俺らはこの4人と、後もう1人作詞作曲をしてくれてる女の子がいてる5人組のバンドやねん。

……で、そのバンド名が " change "

基本的に前も言った通り、月.水.金の19時からと日曜の13時からここで練習してて、昼間は普通に働いてる。

みんな一般人やで。」

こんな演奏ができる人たちが一般人……？

信じられなかった。あまりバンド系を聞かない俺だけど、この人たちが普通の一般人じゃないレベルに凄いことは分かった。

　

1人1人の技術はもちろんやけど、それ以上に全員が息ぴったりで、まるでこの人たちに音楽が引っ張られているような。

そんな風に聞こえた。

「俺がギター、神ちゃんがドラム、流星がベース。

……で、Aがギターボーカル！」

濵田さんがそう言ってAさんの髪の毛をわしゃわしゃっとすると、彼女は嬉しそうに微笑んだ

「俺ら、YouTubeに自分らの音楽をアップしてるんよ。上半身は写さんと演奏してるやつをな。それが結構有名やねん(笑) 」

神ちゃんさんが見せてくれた彼らのYouTubeチャンネルには、彼らの音楽がたくさん出ていて。

登録者数も、再生回数もとても多いものだった。