彼女に紹介されたお兄さんが同期だった場合の対処法【萩原研二】

俺が死を覚悟したって話する？ ページ2

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＿＿＿俺、萩原研二(22)は現在、我が物顔でソファーに仰け反っている人物を見上げながら、荒ぶる心の中で頭を抱えていた。



おい、この状況どうするよ。このままだと俺はその辺の塵と同じ運命を辿ることになる。明日にはその辺の地面で霧散して悲しいことになってる絶対。それで良いのか萩原研二。いや全くもって良くない。何としてでも回避しなければ。


……だがしかし、この男を前にして俺が勝てることなどあるのか？

いや無理だ。相手はゴリラだ。抵抗しようものなら頭を捻り潰される未来しか見えない。
あークソなんでこんな時に限って諸伏ちゃんはいないんだよ！！お前がいなかったらこいつは檻から解き放たれたゴリラも同然なんだぜ？！？俺に降谷ちゃんの手綱を握れっていうの？！？


いや無理だから！！墜落してくる予定だった隕石の軌道変えて地球を救うくらい無理なことだからそれ！！





さては万事休すではこの状況。
強くてニューゲームどころか始まる前にキルされてない？
先手必勝にも程があるだろーよ。







「けんじ、く、ん！こちあ、わ、わらしの、おにぃた、ですっ！」







うん、こんな状況でも俺の彼女は死ぬほど可愛い。後でいっぱいパフェ食べようね。



警察学校に入ってめっきり会えなくなったせいか、久々に見た彼女の笑顔は前以上に輝いて見える。

今も自分の兄を紹介できて嬉しいのか、彼女の笑顔の周りにはふわふわと花が飛び、今にも蝶々が飛んで来そうだ。
お陰で握り潰されそうだった心臓が幾分か救われた。


俺このまま一生彼女だけ見てたいんだけどやっぱその隣も見なきゃダメかな。





彼女の名前は降谷A。出会いは少々遡って高校時代。

話し方からも分かる通り、俺の彼女は生まれつき耳が聞こえない。だから最初は困惑したりしたんだけど、まぁその話はまたいずれすることにしよう。



残念ながら今ここで彼女との馴れ初めを語れるほど、彼女のお兄様を前にした俺に精神的余裕はない。







「どうも、お兄ちゃんだ」







いや見りゃわかるよ。それでお兄ちゃんじゃなかったら逆に怖いし何なら迷わず警察呼ぶんだけど。

ていうかなに、降谷ちゃん自分のこと【お兄ちゃん】呼びしてんの？絶対そんなキャラじゃないよね？言葉の可愛さとお前の殺意が全くもってマッチしてないんだけどあれさては俺殺される？








「えぇっと、どうもお兄さん。Aさんとお付き合いさせて頂いてる萩原研二です。ハハッ」


「お前にお兄さん呼ばわりされる筋合いなどない」








俺もう心折れそう。







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