彼女に紹介されたお兄さんが同期だった場合の対処法【萩原研二】

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そんな研二くんに「別れよう」と言われたのが、今から約五ヶ月前。警察官になったら君を一人にしてしまうかもしれないから、と悲しげな表情で言われたのだ。

だから私は断固として拒否した。

一人になるかもしれないから別れるなんて、私はそんな軽い気持ちで研二くんと一緒にいたわけじゃない。耳が聞こえないというハンデがあっても、私が彼を支えたいと思ったから側に居たのだ。



なのに研二くんはそうじゃなかったの？



別れようと言われたことよりもその事の方がショックで、数日くらいは彼と口をきかなかった。抱きつかれても無視、話しかけられても無視、朝だって起こさず無視、ご飯の時も無視。ひたすらに無視を決め込んだ。

……こんなに無視していたら、本当に嫌われて別れを切り出されてしまうかもしれない。そう不安になる私に、彼はとうとう根負けしたように謝ってきた。






『【ごめん。本当は離れたくない。大好きだから】』

『【じゃあ離れないで】』

『【でも】』

『【一人にしたくないから別れるのに、もう私を一人にするの？】』







【私は少しでも長く貴方と一緒に居たいのに、貴方は違うの？】なんて、少し意地悪な言い方をすれば、彼は泣きながら私に抱きついてきた。何か耳元でわんわん言ってたような気はするけど、口元が見えないからイマイチなんて言ったのか。


だけどそれ以来、研二くんはもう「別れよう」とは言わなくなった。







＿＿＿【お兄ちゃん】







研二くんのメールに返信したのと同時に、画面にその五文字が表示された。基本的に受け身なお兄ちゃんから何かメールを送ってくるなんて珍しい。いつも私からなのに。

何か良いことでもあったのかなと思いながらメールを開いて、すぐに苦笑する。なんだか凄く負のオーラを感じる文面だ。







【とてつもなく癪だが、今回は萩原に勝ちを譲ることにした
A。お兄ちゃんのことは気にせず、ちゃんと幸せにしてもらえよ。良いな

因みにそんなことは絶対に無いと信じたいが、万が一あいつに何かされたり泣かされた場合は即刻お兄ちゃんに報告するように。殴る準備は出来ている



p.s. 卒業したら三人でどこか食べに行こう】







……そっか、お兄ちゃんと研二くん、仲良くなれたんだ。
きっと研二くんが色々と頑張ってくれたからだよね。だってお兄ちゃん、頑固だから。








【研二くんありがとう。大好きだよ】







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(はぁ困った！！！うちの彼女が可愛すぎる！！！！)
(黙れロン毛。ぶっ飛ばすぞ)
(最近降谷ちゃんの当たりが強い！！！)

対処法なんてものは無かった→←兄からメールが届きました

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