ロマンチストでもないし ページ12
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＿＿＿＿＿＿この世に一目惚れという言葉があるのは知っているけど、どうやら俺とは相性が悪いらしい。
今でこそベタ惚れな彼女に対しても、特に一目惚れというものをしたという実感は無かった。
ただ、一瞬にしてその横顔に目を奪われたのは確かだ。
自分の名前と席を確認して鞄を置いた隣の席。窓際の席で静かに読書を嗜む姿には、素直に息を飲んだ。
陶器のように白い肌に、何一つ無駄な動きをしない指先。そっと垂れてきた前髪を耳にかける仕草でさえ絵になって、日光に照らされた金髪が毛先まで眩いほど輝く。
周囲の人間が彼女の周りを避けている理由がなんとなく分かった。
彼女の周囲には、まるでその空間だけどっかの洒落た絵画を切り取ってきたかのような、不思議な空気が取り巻いていた。
「それさ、なんて本なの？」
とはいえ彼女もお隣さん。少なくとも一ヶ月は一緒だろうからと、今までそうしてきたようにテンプレを投げかけて、謎の沈黙が間に流れる。全く返事がない。
……え、まさかの初日から無視？もしかして馴れ馴れしすぎた？それとも本に集中しすぎて周り見えてないパターン？いやあるなそれ。
どちらにせよ中学までの流れが通用しないことに動揺しまいとするが、体は素直に困惑する。
彼女の手元に向けて差した指先がプルプルと痙攣して静かに降ろした。仕方ない、タイミングが悪かったと思おう。
近付き難い空気に加え、一つのことに没頭すると他のことが見えなくなる性格。
隣だけど仲良くなれるだろうか、なんて柄にもなく不安になった、高校生活最初の朝礼前だった。
「＿＿＿じゃあ、次。降谷」
始業式が始まる前に自己紹介をしようという流れになり、自分の番を難なく乗り越えて席に着く。
そういえば、隣の彼女の名前は降谷Aというらしい。萩原と降谷。道理でお隣さんなわけだわ。
だが彼女は先生の声も届いていないようで、黒板を見つめたまま立ち上がる気配がない。
異様な行動にざわつき始めた教室。
すると俺はなぜか、担任の方から「萩原、降谷の肩を叩いてやってくれ」と頼まれた。そこで仄かに違和感を憶えながらも、初日から反抗的な態度を取るほど不良でも無いので素直に従う。
「おーい、降谷さーん？」
「！」
担任に言われた通り、黒板の一点をじーっと見つめている降谷さんの肩を叩けば、さも今気づいたかのようにパッと日本人離れした顔がこちらを向く。
それからすぐに、机上のスケッチブックがパラパラと開かれた。
「【私の番ですか？】」
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うな - 陣平ちゃんが最後らへんで言っていた、2人の結婚式は呼ぶって言ってたのに的な話のとこで止まりかけてた涙が一気に溢れてきました。萩も大怪我なのに最後まで彼女ちゃんを守ろうとしている所がもう…😭最後の写真もすごく素敵だし、大泣しました。大好きです。 (5月6日 15時) (
レス) @page49 id: c7c459b30e (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - 読み終わった後、偶然、コナンのＥＤにもなった「ジューンブライド〜あなたしか見えない〜」を聴いたんですが、この曲の歌詞が妙にこの作品に合っている気がして、またこの作品を思い出して泣いてしまいました。心に残る素敵な作品をありがとうございました。 (2022年10月16日 17時) (レス) id: ba9ab70415 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - 読み終わった今も涙が止まりません…。まず二人が助からないと分かったところで大号泣、夢主が既に亡くなっていたと分かったところで大号泣、最後の写真で大号泣…。ずっとギャグだったから、こんな結末全く予測していませんでした…。 (2022年10月16日 15時) (レス) @page49 id: ba9ab70415 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 最後のイラストで涙が止まらなくなりました😭 (2022年6月23日 22時) (レス) id: 1cfa02e0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - まさかの結末で涙が止まらない、、、 (2022年6月14日 19時) (レス) @page48 id: 2eb7e133f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無糖
| 作成日時：2021年7月25日 15時
