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「……ずっと一緒にいたいね」

「…っ、」




先に口を開いたのは、雄也さんだった。
その言葉に、伊野ちゃんは目を背けるように雄也さんとは逆の方向を見る。




「ほんとは、帰って欲しくない」

「…たかき、」

「ごめんね、こんなこと言って。…困ると思ってずっと言えなかった」

「…俺が帰りたくないって言ったら、高木は困る?」

「んーん、嬉しい」

「じゃあ、…俺も、帰りたくない」




隣で山田が「甘っ…」とボソリと呟く。

まあ確かに甘いけど、俺らも中々じゃない?なんて思いながらも、また山田を抱きしめる。




「…っわ、ちょ、大ちゃん」

「あー、好き」

「はぁ?」

「絶対また会いに来るから。…待っててね、」

「…会いに来てくれなきゃ困るわ」




山田を抱きしめる視界の端で、2人が唇を重ねるのが見える。

2組とも2人だけの世界入ってて、なんかもう感動通り越してカオス。




「…さ!行こっか、伊野ちゃん!」

「寒くなってきたわ、早く行こ大ちゃん」




そう言って先に歩き出す伊野ちゃん。




「…2人とも、ありがとね」

「お前も早く行けっての」

「ふふ、好きだよ山田」

「はいはい、ほら、行った行った」




伊野ちゃんの後を追いかけるように、俺も歩き出す。車が見えてきた辺りで振り向くと、
山田はまだ、そこにいた。




手を振ると、手を振り返してくれる。




「…またな」









その手で、シルバーが星のように光った。







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だんご(プロフ) - 綺麗な文章で素敵でした!arymちゃんと思いきや大好きなtkinも出てきて幸せでした。ありがとうございました! (2021年4月23日 14時) (レス) id: 75e27edd14 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 綺さん» ありがとうございます( ; ; )はい!待ってます♪ (2020年7月4日 10時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - もえさん» 読んでいただいてありがとうございました!今のところ考えてないので何かいいお話が浮かべば書かせていただきますね! (2020年7月4日 6時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 完結おめでとうございます!もし宜しければ番外編等書いて欲しいです! (2020年7月4日 2時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 盟さん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年7月3日 12時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月4日 8時

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