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山田と話したらすっかり目が覚めてしまって、先に居間に降りる。

予想通り、まだ誰も起きていない。
特にすることもないし、散歩でもしようと家を出た。







家から数分歩いたそこにいた、見覚えのある丸っこいヘアスタイル。
海も街も全部見える橋の上だった。



「伊野ちゃん?」

「おー、大ちゃん」

「伊野ちゃんも散歩?」

「うん、ちょっとね」




物憂げな表情で海を見つめる伊野ちゃん。

隣に立って同じく海を見てみる。
…うわ、なんかここやばい。




「明日かぁ」

「え?」

「もう帰るんだよね、」

「あぁ、そーだな」




やだなぁ、そう言いながら橋の手摺に背中を預けて俯く伊野ちゃん。

珍しかった、伊野ちゃんがこんなに悩んでるの。
いつもふわふわ飛んでくみたいな性格してるんだもん、伊野ちゃんも同じ人間なんだと安心する。




「あ、そうだ。結局伊野ちゃんと雄也さんってさ…」

「…あー、大ちゃん達と同じ」

「同じ?」

「だからー、付き合ってんの」




そう言われて、昨日から心に引っかかってたものが、すとんと落ちた。

そうだ、そうじゃん。
普通両想いなら付き合うんだよ、




「俺達、付き合おうって言ってないんだよね」

「…は?」

「好きだよ、俺もだよ、みたいなくだりはあったけど、じゃあ付き合おうとはなってない」

「謎すぎるんだけど…」

「いや、言おうとは思ったけどさ」




今の伊野ちゃんの姿を見て、
そんな気持ちが余計胸の奥へ、出てこれないように身を隠す。

付き合ったとして、俺の職場はあっち。
こっちに来れても、年に1回程度だ。

そんな状況で、「じゃあ付き合おう」なんて、簡単に提案出来なかった。




「…会えないのはなぁ…、」

「まぁ、そこだよね、やっぱり」




岸辺に打ち上げる波の音が虚しく俺らを包んだ







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だんご(プロフ) - 綺麗な文章で素敵でした!arymちゃんと思いきや大好きなtkinも出てきて幸せでした。ありがとうございました! (2021年4月23日 14時) (レス) id: 75e27edd14 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 綺さん» ありがとうございます( ; ; )はい!待ってます♪ (2020年7月4日 10時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - もえさん» 読んでいただいてありがとうございました!今のところ考えてないので何かいいお話が浮かべば書かせていただきますね! (2020年7月4日 6時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 完結おめでとうございます!もし宜しければ番外編等書いて欲しいです! (2020年7月4日 2時) (レス) id: 8a2ad34e00 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 盟さん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年7月3日 12時) (レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月4日 8時

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