天の川を渡って 《 arym 》

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‥







「ただいま〜」

「あー！」

「っるさ、何…？」




山田が、散歩？に満足したようで2人で家に帰ってきた。ドアを開けた瞬間に伊野ちゃんと雄也さんが大きな声を出しながら俺達を指差す。




「あのさ、こんな夜に2人して消えるのやめてくれない！？俺めっちゃ心配した！」

「たかぎってばずっとそわそわしてたんだよ」

「あ、ごめんね？」

「雄也って変なとこ心配性だもんねー」

「変なとこって何、大ちゃんも勿論だけど涼介居なくなって心配しないわけないじゃん」




何も気にせず廊下を進んでく山田の後を、雄也さんが着いていく。その後ろを伊野ちゃん、の後ろを俺。

先頭の2人が言い争いをしていると、伊野ちゃんが小さな声で「あ」と言った。




「大ちゃん」

「ん？」

「…あんたやるねぇ、」

「は？」




また変にニヤついた伊野ちゃんが、山田を指差す。




「あれ、だいちゃんのでしょ」

「…あ、」

「うわー2人で抜け駆けかよー」

「ちょ、違う違う！」

「うわぁー」




人の話なんて聞かない伊野ちゃん。

否定は一応してみるけど、いつか、伊野ちゃんの言う通りになればいいのに、なんて




「まあいいんじゃない？
山田、大ちゃんのパーカー着て嬉しそうだよ」




また、そんな冗談を、本気にしそうになる








‥

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