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8話 やりたいこと ページ8

坂本さんは申し訳なさそうに顔をしかめる。

なぜそんな顔をするの?そんな顔見たら嫌なことしか考えられない。

「銀時は……二度と瑠璃華の元へは来ないんじゃ。」

それは死んだということだろうか。私のことが嫌いになったということだろうか。

「死んだ…のですか?」

坂本さんはゆっくり頷いた。

あの後の戦で死んでしまったのか…

「そう、ですか。」

辰馬はあっさり受け入れた瑠璃華を見て驚いた。自分が戦に出てた頃の瑠璃華ならそんなこと

言われたらそんなことは絶対ありえないという勢いで否定するはずなのに。

わしは近くにあった椅子を瑠璃華がいるベッドの側に持って行って座る。

「瑠璃華、大丈夫がか?」

「ええ。あ、義手ありがとうございます。リハビリ頑張ります。」

陸奥から聞いたのか瑠璃華は義手の右腕を左手で握りながら言ってきた。

「そうか。焦らなくて大丈夫じゃからな。そこで瑠璃華に質問なんじゃが…」

瑠璃華はそれを聞いて首を傾げた。

「リハビリが終わった後おんしゃはどうしたい?」

そう聞かれて瑠璃華は悩み始めた。

「別にすぐに答えは出さなくていい。何かやりたいことがあったらわしはその手助けをしてやり

たいんじゃ。」

それを聞いて瑠璃華は口を開いた。

「あの、私どんな仕事がこの世に存在するのかよく分かりません。正式な仕事名じゃなくてどんな

仕事がしたいと言うことでもいいんですか?」

そう言った瑠璃華の目はもう何かを決めているような目だった。

「もちろんぜよ!」

「人を、助ける仕事がしたいです。人の気持ちが理解できるような、たくさんの人と接するような

そんな仕事がしたいんです。」

今まで言われたことだけをやってきた瑠璃華の目に希望のような光はほとんどなかった。だが、

今は違う。すごく遠くの未来を見据え、何か目標みたいなものを持って前に進もうとするキラキラと

した美しい目をしている。

「とてもいい仕事を探してやるぜよ。今陸奥が料理を持ってくる。まずは栄養を補給することが

一番ぜよ!」

なんで私の周りの人はこんなに優しいのだろう。優しすぎる。私にはもったいない。でもそんなこと

言ったらきっと隊長が怒るだろう。もっと自分を認めろと。今は認めることができないけど、いつか

出来るようになるのだろうか。生きていれば、私が探してる何かが見つかるのだろうか。

「ありがとうございます。坂本さん。」

今、心がすごく暖かい。

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さな(プロフ) - 大手裏剣@大量更新期間中さん» ありがとう!! (2019年3月28日 13時) (レス) id: a43d45e5aa (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣@大量更新期間中(プロフ) - おかえり〜!更新頑張って……! (2019年3月28日 13時) (レス) id: c371649f9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kyo12271/  
作成日時:2019年3月27日 19時

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