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5話 生きる目的をあげよう ページ5

「……それが指令ですか?」

瑠璃華はいつも通りの何を考えているのかわからない目で俺に聞く。

「なんでいつもいつもお前は指令ですか?しか言わないんだよ!ただ俺がお前にそうしてほしい

だけなんだ。お前が俺の言うことを聞きたくなければ拒否すればいい。いつもそう言うつもりで

言ってるのにお前は拒否することなくなんでもこなす。なんの文句も言わずに。俺はそれが辛い。

本当はお前が手を汚す必要なんてなかったはずなのに…」

瑠璃華は驚いたような目をした。

「なぜあなたは、そんなに優しいのですか?」

なぜ… なぜ、か。

「んー……瑠璃華の事好きだから?」

瑠璃華は俺のその言葉に何も返さない。

なんか、すげー気まずいんだけど。

「る、瑠璃華?」

「…好きですか?」

その感情の意味はなんだと目が言っている。

「えー…恋愛的な?最愛?んー、分かんねーな。」

「……人を好きになると言う感情が、恋愛的な意味で好きになると言う感情が…私には、分かり…

ません…」

申し訳なさそうに言葉の最後になるにつれて瑠璃華の声は小さくなっていった。

なんで愛すら教えずに今まで来てしまったんだろう。もっと何かしてあげられたらこうは

ならなかったのだろうか。この子がこのまま死んだら俺の気持ちは一生伝わらずに、この子は一生

理解できずに死ぬのだろうか。

俺はこの子に感情を、他人を、自分を、世界を自分の目で見て知ってほしい。きっとこれで戦争は

もう終わりだ。終われば…俺たちだって人殺しはやめる。もちろん瑠璃華も。

そこからちゃんとした道を歩いてほしい。この子はまだ12歳だ。やり直せる。

だから…俺はこの子の側から離れよう。俺がいるからこの子は自分を知れない。そして俺はこの子が

指令でもいいからくれと言ったらそれをあげてしまう。だから消えよう。この子の側から。

「じゃあ生きて自分で知れ。全てを知るんだ。自分の身で。」

「全てを…ですか?」

瑠璃華は全てとは、と考える。

「そうだ。今俺はお前に生きる目的をやる。これを達成したら自分で目的を新しく作って生きろ。

もちろん俺があげる目的と一緒に自分の目標を持っても全然構わない。」

瑠璃華はまた首を傾げた。

「また、隊長が私に、目的をくださるのでは…ないのですか?その言い方…私の側から隊長が

居なくなってしまう気がします。」

瑠璃華は寂しそうな目で俺を見る。

なぜそういう時だけ勘がいいのだろう。

「…離れねェよ。きっと。」

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さな(プロフ) - 大手裏剣@大量更新期間中さん» ありがとう!! (2019年3月28日 13時) (レス) id: a43d45e5aa (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣@大量更新期間中(プロフ) - おかえり〜!更新頑張って……! (2019年3月28日 13時) (レス) id: c371649f9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kyo12271/  
作成日時:2019年3月27日 19時

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