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28話 信じてます。 ページ28

その便箋には懐かしい字で短い文章が書かれていた。

『知りたいことは知れたか?自分のやりたいことは見つかったか?どっちにしろ今楽しく幸せな

生活を送っているなら俺は嬉しい。仲間の大切さ分かったか?瑠璃華を大切にする人がこの世界に

たくさんいることが分かったか?昔仲間はいらない。誰にも愛されないと寂しそうに言ってた事を

俺は悔しいと思っている。俺はお前に教えてやることが出来なかった。でも今一番嬉しいのは瑠璃華

が生きていてくれることだ。ありがとう。』

便箋は約半分ほど余っているが何か、暖かさのこもったものだった。

でも、この文章遺書とかではなく普通につい最近書いたものなのではないだろうか。でも隊長が

未来を想像して書いたと言う事を完全否定できる証拠は何もない。ただ分かるのは隊長が今の私に

向けて書いた手紙であることだけだ。

まだ封筒に入っている物を取り出す。それは写真だった。今と何かが違う。この時の私はこの世界が

嫌いだった。世界に絶望したようなそんな顔をしている。

写真は数枚あってていくと高杉さんとか桂さん、坂本さんが一緒に写っている写真もあった。中には

いつ撮られたのか全く分からない私の寝ているところやご飯を食べている写真まである。絶対隊長が

こっそり撮ったに違いない。

「瑠璃華さ、いつもそんな風に楽しそうに笑ってたらもっと可愛いのに。」

隣で瑠璃華の様子を見ていた李世が言う。

瑠璃華は手紙を読んでいる時から楽しそうに微笑んでいた。

だが瑠璃華はそれを自覚していない。

「え?笑ってました?」

「んー笑ってると言うか微笑んでる感じ。いつも無表情だからさ。誰からの手紙?」

「死んだはずの隊長からです。つい最近書いたのか私の未来を想像して書いたのか分からない手紙

です。後は写真が入ってました。」

死んだはずの隊長と聞いて李世はさっき銀時が瑠璃華のところに行かず遠くから見ていた理由を

理解した。でもなぜ死んだままになってるのだろう。

「その人のこと生きてるって信じてる?」

瑠璃華はそう聞かれて口角を上げて頷いた。

「もちろんです。あの人が簡単に死ぬなんてあり得ませんから。最初から信じてないですよ。それが

事実だったとしても私はその人の死体を、骨を見てませんから。」

瑠璃華は手紙と写真をしまって近くに置いてあったカバンの中に入れる。

「じゃあ私は仕事に戻ります。」

29話 取材と反応→←27話 落ちていた手紙。



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さな(プロフ) - 大手裏剣@大量更新期間中さん» ありがとう!! (2019年3月28日 13時) (レス) id: a43d45e5aa (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣@大量更新期間中(プロフ) - おかえり〜!更新頑張って……! (2019年3月28日 13時) (レス) id: c371649f9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kyo12271/  
作成日時:2019年3月27日 19時

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