【銀魂】愛知らぬ少女【坂田銀時】 (ページ20)

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20話瑠璃華と震災孤児2 ページ20

「まだ私は十四歳、子供なの。親がいないのに私どうやって生きて行ったらいいの？両親が自分の子

に生きて！！って言うのは分かるわ。私だって将来そうするかもしれない。でも私は今辛い。両親が

いないのに、私どうやって生きていくの？残す方も辛いかもしれないけど残された方はまだ一人で

生きる術も知らない。こんな私にどうやって生きていけって言うの！？」

萌音は静かに涙を流しながら瑠璃華に訴えた。

「……残す側と残される側はやっぱり複雑ですね。残す側…あなたの両親はあなたのことをずっと

大切に育ててくれたのでしょう？」

萌音は頷く。

「大したことじゃなくてもすごく褒めてくれたり、私が泣いてたら話を聞いてくれたり、悩んでたら

真剣に相談に乗ってくれたり。私にはもったいないくらい優しい両親だった。でも優しすぎて私は

自分のことを自分でやろうとしなかった。だから今どうしたらいいのか分からない。」

ご飯を作ることも洗濯もほとんど自分でやらなかった。親戚がどこに住んでるかも分からないし

今この避難所でどうするべきなのかもイマイチよく分からない。

もっといろんなこと教えて貰えば良かったと萌音は心の中で後悔する。

「萌音さんの両親はあなたのことが大切だから生きて欲しかったんです。あなたはあなたの両親より

未来がある。あなたの両親はその未来を津波で無くしたくなかった。そんなの親の勝手だと子供は

嘆きます。ですが両親はあなたが一人になっても誰かがあなたの味方になって、仲間になってくれる

人が必ずいると思ったから生きてと言えたんじゃないでしょうか。親だって無責任にあなたを残す

はずないんです。そんなに大切に育てられたのなら尚更です。」

親には親の考えがあった。子供はそれにすぐに気づけない。気づいても納得できない。

子供は親が、大人がいないと生きていけない。まだ未熟だから。

「でもあなただって子供じゃない。私と同じなのになんでそんなにあなたは強いの？」

私は強いのだろうか。別に特別な強さはないと思うのだけれど……

「ある人と約束した事があるんです。それを果たすために今は生きています。私も残された人です。

別に特別な強さはありません。目的があるだけです。萌音さんに夢はありますか？」

萌音さんは笑顔で答えた。

「助産師よ。新しい命を誕生させる手伝いを私はしたいの。」