16話 初めての仕事5 ページ16
「志筑さんが例の友人とお話ししてた時に友人の方が『お前死んだら残された嫁になんて言う?俺は
楽しく生きろよ。ごめんな。って言う』って聞いたんです。志筑さんは『自分が幸せになれる方へ
行け。』って言うと仰っていました。だからあなたはどんな道を選んでもあなたが幸せならどんな
方へ行ってもいいんですよ。」
そっか、そんな風に言ってくれてたのか。
「…じゃあ私はお店開くわ。」
沙奈江は心から嬉しそうな笑顔で言った。瑠璃華はそれを見て心が温かくなる。
「あなたの今の笑顔を見るとすごく心が温かくなります。」
瑠璃華は胸元をさすりながら言う。
沙奈江はふっと笑ってから口を開いた。
「仕事を達成できたのが嬉しいんじゃない?」
これが嬉しい。という感情なのか。すごく暖かい。でも仕事を達成したとかじゃない。
「いいえ。私が嬉しいのは辛そうだったあなたが今心から嬉しそうに笑ってくれていることです。」
辛そうに泣いていたあなたが、旦那さんの気持ちがわからず一歩踏み出すことができず悩んでいた
あなたが一歩踏み出して決意して笑ってくれていることが今とても嬉しい。
「瑠璃華、お見せできたら絶対来てね。連絡する。何か持ってる?連絡取れるもの。なかったら
手紙を送るから。」
連絡を取れるものはスマホしかない。私はそう思ってカバンからスマホを取り出した。
「スマホなら。」
「じゃあラ○ンね。」
沙奈江はそう言って私のアカウントを追加した。
「ちりとりってありますか?」
私はさっき粉々になったグラスを見つけて沙奈江さんに聞く。
「うん。なんかあった?」
沙奈江さんは私にちりとりを渡しながら聞く。
「グラスです。」
私は右手でグラスのカケラをちりとりに乗せる。
それを見た沙奈江は瑠璃華の右手首を勢いよく掴んだ。
「怪我してるのに余計に…え?」
瑠璃華は義手の右腕に包帯を巻きつけていた。それを見てずっと怪我していると沙奈江は思って
いた。だが触れた右腕は人の腕の固さではなく物の固さだった。
「義手なんです。さっき言った大怪我は爆弾の爆発に巻き込まれて腕が千切れたことです。だから
怪我しないので安心してください。沙奈江さんがやって怪我したら困ります。」
瑠璃華は義手になって初めて役に立ったと感じた。普通の腕は怪我するがこういう時には怪我を
しない。
「ありがとね。私が勝手にやったことなのに。」
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さな(プロフ) - 大手裏剣@大量更新期間中さん» ありがとう!! (2019年3月28日 13時) (レス) id: a43d45e5aa (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣@大量更新期間中(プロフ) - おかえり〜!更新頑張って……! (2019年3月28日 13時) (レス) id: c371649f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kyo12271/
作成日時:2019年3月27日 19時