考え事 ページ50
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「紫耀どうかした…？」
紫「………」
「紫耀ってば」
紫「えっ………あぁ…」
遠くを見ていた紫耀の目が、ゆらゆらと慌てて私に視線を移した
今日の紫耀はどことなく変
「何か考え事？」
紫「いや、…なんでもない」
「でもさっきからずっとボーッとしてるよ？」
新しいキーホルダーを買ってやるからって
買い物に誘ってきたのは紫耀の方
紫「それよりどう？欲しいのあった？」
「え、うーん……」
色んなキーホルダーが並ぶ中から
これ可愛いやん？って私に見せてくる紫耀
可愛いけど…
「私………やっぱりいい」
紫「え？なんで？」
差し出されたキーホルダーを元に戻して
不思議そうな顔の紫耀を連れてお店の外に出る
やっぱり、新しいのなんていらない
紫「ホンマにいらんの？」
「うん」
紫「ホンマに？」
「いーの！やっぱりあれ…大事にするの」
紫「ふっ…そっか、まぁええけど」
「うん、せっかく買ってもらったんだし、それに友達が見つけてくれたし」
顕嵐くんが一生懸命探してくれたんだもん
「廉もね、洗って綺麗にしようとしてくれたんだって」
紫「廉？そうなん」
「うん、だからちゃんと大事にする」
そう言うと紫耀はニッコリ笑って私の頭を撫でた
紫「Aはええ子やね」
真っ直ぐに私を見おろす紫耀の目は
やっぱりまだどこか遠くを見ているみたいだった
「……紫耀、何考えてるの？」
「ん？…何も？」
「玄樹たちのこと？」
「いや、何も考えてへんて」
紫耀は
いつも私に嘘をつく
どうして？
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作者名：たかりな | 作成日時：2017年3月12日 21時
