桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ49)

今日:36 hit、昨日:4 hit、合計:336,660 hit

あの日 ~紫耀side~ ページ49

～紫耀side～

「いってきまーす！」

小学1年生になった春

毎日のように学校から帰ったら部屋にランドセルを置いて、またすぐに玄関に向かった

紫耀母「また遊びに行くの？5時には帰るのよ」

「はーい！」

あの頃は疲れなんて知らないみたいに毎日はしゃいでいたっけ

公園に行けばいつも待っている仲間

それが当たり前だった

勇「大変だよ！」

「どーしたん？」

玄「学校の前に救急車がいるって」

優「パトカーもいたぞ！」

でもあの日、そんな当たり前だった毎日は変わってしまった

あまりにも、突然に

「男の子が急に飛び出したって」

「女の子も一緒に跳ねられたらしい」

俺たちはいつも一緒だったんだ

なのにあの日はどうして…

勇「家は誰もいなかったよ」

優「えー？どこ行ったんだよ、あいつ」

玄「もしかしたらAたちと一緒なんじゃない？」

「Aんち行ってみる？」

あの日に戻れたら

そう何度思っただろう

玄「Aんちも誰もいなかったね」

優「あっ！もう5時になるから帰んないと怒られるぞ」

勇「本当だ～、帰ろっか」

「うん、じゃあまた明日！」

明日になればまた会える

そう思ってバイバイって手を振った

きっと明日になったらまたおはようって笑ってる

.

.

紫耀母「紫耀………よく、聞いて」

「…なに？」

おはようって

笑ってる…？

.

.

次の日

あいつは学校に来なかった

.