桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ37)

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絆 ~優太side~ ページ37

～優太side～

「廉何か知らねーのかよ」

廉「何かって？」

「Aだよ、ここんとこずっと朝も帰りも来ないし」

廉「そうやな」

「そうやなって…隣のクラスなんだからAの仲良いやつとかわかるだろ？」

最近Aが俺たちを避けてるんじゃないかって

そんな気がしてしょうがない

だから廉も機嫌が悪いのに、ついついつっかかってしまう

廉「紫耀のせいちゃうん？彼女おんのにAのこともてあそぶようなことするから」

紫「そんなことしてへんわ、それに俺…」

廉「してるやろ？だいたい玄樹と勇太も紫耀のせいで来ーへんしな」

「なんだよそれ、どういうこと？」

廉「紫耀に聞けば？俺先帰るわ」

「え？ちょっと待…」

ガタンと荒々しくドアを開けて廉は部屋を出て行った

なんだよ紫耀のせいって、俺何も知らねーぞ

「紫耀、玄樹たちと何かあったのか？」

紫「………ちょっと…ね」

「喧嘩？」

紫「まぁ、そんなとこ…」

紫耀は静かに立ち上がって開いたままの扉を閉めた

紫耀と玄樹と勇太

この3人は本当に昔から仲がよかった

玄樹が時々拗ねたりすることはあったけど、大きな喧嘩なんてたぶんしたことないはずだ

紫「廉の言う通りかも」

「え、Aのこと？」

紫「俺がやってることって結局Aを傷つけてる、玄樹が怒るのも当然だよ」

「でも、この前喜んでたじゃん。俺にキーホルダー自慢したりして」

紫耀に買ってもらったって喜んでたのはついこの前

まったく、俺には女心ってやつはよくわかんねーや

紫「ごめん優兄、俺も先に帰るな」

「紫耀…」

あんなにガッシリした紫耀の背中が

なんだか小さく見えた

みんなどうしちゃったんだよ

俺たちいつでも一緒にいたじゃん

家族や友達とは違う、強い絆がある

そうだよな？

こんなことでバラバラになんかならないよな？

こんな一人ぼっちの帰り道なんて、俺は嫌だ

だいたいあいつが、悲しむじゃねーか

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