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彼は喉を鳴らして笑いながら、
「実は俺、誰かを負ぶったの、初めてなんだけど」
そんな告白をしてきた。
「小学生の時とかに、遊びで友達をおんぶしたりしなかった？」
「…したことない」
「ふざけて取っ組み合いみたいな遊びをしたことしたことは？」
「ないけど」
私の小学生時代のクラスの男子なんか、いつもそんな感じで遊んでたけど。
彼は一体、どんな小学生生活を送ってたんだろう。
お風呂で適度に温まった私は薄着でリビングに戻るけど、彼はすぐに厚手のバスローブを私の肩にかけてくる。
「暑いよ」
「体を冷やしちゃいけないから」
ニコリともせずに、そう返されて終了。
まあ、それはいつものことだけど。
「女の子は体を冷やしちゃいけないんじゃなかった？」
彼は、もう自分の妻になってる私のことも「女の子」として表現してくれる。
それはありがたいけど、少し、くすぐったくもある。
「夕食はどうする？
今夜は何か食べに行く？」
「珍しいね、外食とか」
「だって、今夜が最後の夜だし
外食もたまにはいいんじゃない？」
ショッピングモールの中のレストランで、ここに来て初めての外食。
窓際に座った私達は、真っ暗な海を見ながら、少しだけ憂鬱な気分になっていた。
だって明日の夜にはもう、私達は現実に戻ってるわけだから。
あーあ…、あっという間のハネムーンだった。
彼は本当にリラックスして楽しそうにしていたし、私も帰りたくなくなるほど幸せな１０日間だった。
「明日、帰っちゃうなんて嫌だね」
つい、そんなことを言ってしまう。
本当はこんなネガティブなこと、口にしたくなかったのに。
彼は聞こえてないふりをしてくれていたけど、やっぱり物憂げに窓の外を眺めていた。
世の人達は、ハネムーン最後の夜をどんな気持ちで過ごすんだろう。
私達の最後の夜は、かなり切ない感じに仕上がっている。
今まで取り巻いてきた現実が、ハードだっただけに。
部屋に帰ると彼は、無言でパッキングを始める。
床に広げたトランクに向かって少し背を丸めながら座り込んでいる、寂しげな彼のその背中を見ていたら、
もう我慢ができなくなった。
その背中に覆い被さるように抱きつけば、彼はようやく動きを止める。
「いいじゃん、そんなの明日で」
「よくない
明日だとバタバタして、忘れ物をしてしまうかもしれないから」
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りたわかめ(プロフ) - keitoさん» コメントも更新も遅くて申し訳ございません(T_T)一年も育休なんて、今の時代はありえないですよね。新しい慣習を作るという意味で一年もアリなんじゃないかと思いましてw (2021年1月3日 22時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - keitoさん» コメントも更新も遅くて申し訳ございません(T_T)一年も育休なんて、今の時代はありえないですよね。新しい慣習を作るという意味で一年もアリなんじゃないかと思いましてw (2021年1月3日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» コメントも更新も遅くて申し訳ございません。またのんびり更新していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年1月3日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - 待ってました！てか出遅れました。ふふ、実際にパパが１年育休取ったら、気まずくて逆に雰囲気悪くなりそうですね(￣ー￣)ﾆﾔﾘ (2020年9月8日 19時) (レス) id: 2c3e1bcaf4 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 待ってましたー！！！唇とマーマレード、すごく好きです(；A；)何回読んだことか！！また更新待ってます〜〜 (2020年9月7日 23時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2019年10月12日 23時
