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適当に入った店で遅めのランチを取っている途中、彼はこんなことを言い出した。
「元の職に戻るって言ったけど、それは１ヵ月先の話だから」
「どういうこと？」
「少しだけ時間をもらった
本当は半年間くらい休みがほしかったけど、それは無理だって」
「１ヵ月は休めるってこと？」
「だって俺ら、ハネムーンの途中じゃなかった？」
まるで菩薩のように優しく微笑むと、また彼は寡黙に食事を続ける。
…なんてことだ。
正直、もう諦めてたんだよ。
本当なら私達は今頃、まだあてもなく世界中を旅している途中で。
だけどこんな風に現実に戻ってきちゃったから、ハネムーンの続きなんか、もう無理なんだろうなって思ってた。
その日の午後には会社に挨拶に行き、１ヵ月の休暇の申請をした。
室長は小難しい顔をしていたけど、小狡い私は自分の退職をチラつかせて強引に押し切った。
帰り際、
「お前、連絡くらいしろよ」
怒り顔の太輔に呼び止められる。
「ごめんね
なんかもう、怒涛の日々だったんだよ
でも来月から復帰するから、よろしく」
そう謝っても太輔は呆れ顔。
だけどその顔を見ただけで、いろんな感情が噴き出してきた。
感謝とか友情とか愛しさとか、そんな感情がいっぱい。
その結果、研究室の真ん中で、ぎゅーっとセミが木にしがみつくみたいに太輔に抱きついてた。
研究室のみんながそんな私達を見て、冷やかしたり囃し立てたりするのが面白くて、ますます強く抱きついたら、太輔は諦めたように脱力する。
「お前に振り回されてばっかじゃん、俺」
「振り回されてくれてありがとう」
きっと、私が彼と政略結婚なんかしてなかったら、絶対に太輔と付き合ってたはずで。
もしかしたら結婚してたかもしれないね。
そう思ったら、いろんな感情が溢れてきたんだ。
「…A、社長見てるけど」
気まずそうに太輔にそう言われてようやく体を離したら、廊下の向こうから彼が呆れた目をしてこちらを眺めていた。
「お待たせ」
廊下で待っててくれた彼の所に戻れば、
「普通、旦那の前であんなことする？」
苦笑いで言われてしまった。
「だって、いるって知らなかったもん」
「それ、余計に悪質じゃない？」
だけど彼はちっとも怒ってなくて、逆に機嫌よさげなのが癪に障る。
どうせ余裕なんでしょ？
自分は愛されてるって、自信があるから。
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まいまい(プロフ) - 渉さん、無事で良かった〜2人には幸せでいて欲しいので、この展開は嬉しいです。子供出来てたらなお嬉しいなぁ…それにしても渉さん、どんどん成長しますね！ (2021年5月6日 14時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - Haruさん» まあまあ、焦るな焦るな。まだ妊娠とはわからんで。生理の有無を聞いただけですがな♪ (2019年9月29日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - えぇぇぇええーーー？？ここへ来ての妊娠？！穏やかにニマニマ読んでたのに一気にそわそわしだしたやないかっ。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひとみKandHさん» 本当に！！ミラコでラブラブできるのかどうか(/ω＼*)横尾さんとディズニーシーは雰囲気的に合うと思うんですよね♪ (2019年9月19日 18時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみKandH(プロフ) - こんにちは！横尾さんとインパなんて(^^)待ち時間も絶対楽しいですよね！ミラコでのらぶらぶシーンも楽しみにしています！ (2019年9月7日 11時) (レス) id: d7aec2014e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2019年7月31日 0時
