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「A様…！
もしかして、切っちゃったんですか？」
若葉は慌ててるけど、私は意外と冷静だった。
「切ってない
電源を落としただけ」
「もっと酷いじゃないですか！？」
若葉は私からスマホを取り返して、必死に電源を入れようとしてるけど、
「渉さんからまたかかってくるかもよ？」
そう言っただけで、ピタリと動きを止めた。
「若葉は今、休暇中なんだから
別に電話に出なくたっていいんじゃない？」
「そうなんですけど
電話に出なかったら、後々ややこしいことになりそうで」
「じゃ、嘘つけば？
A様のことは何も知りませんって」
「その嘘がバレたら、私クビになっちゃいます」
そうだよね。
私は離婚してしまえば横尾家とは縁が切れるけど、
若葉は家族で勤めてるわけだから、そういうわけにはいかないか。
だけど今度は、私のスマホが鳴り始めてしまう。
発信元は、何故か太輔から。
とりあえず電話に出れば、
『A？今、旦那さんから電話がかかってきたんだけど』
って、マジですか…。
てか、何で太輔の番号を知ってるわけ？
もしかして、それも例の調査書に載ってた？
それなら、その調査書には私の携帯番号は載ってなかったわけ？
『Aがどこにいるか聞かれた』
「それで？」
『正直に答えたけど』
「何で！？」
『あれから俺も冷静に考えてみたんだけど、２人できちんと話をした方がいいんじゃないかなと思って
Aの居場所を聞いてくるってことは、帰国してるっぽいし』
「帰国してんの？
瑠璃子さんは？」
『知らない
そういうのも、直接本人に聞けば？』
…なんてこと。
彼が瑠璃子さんを置いて帰国するとは思えないし。
まさか、瑠璃子さんを伴って私に会いにくるわけじゃないよね？
『Aの電話番号も聞かれたけど、
「奥さんの電話番号、知らないんですか？」って聞き返したら、それきり何も言わなくなったから
結局、教えてない』
「太輔、居場所を渉さんに話しちゃったんだって」
電話を切ってすぐに、若葉に報告する。
若葉はスマホの電源を入れて、彼からのショートメールを私に見せてくる。
『これからそっちに向かうから、そこを動かないで』
その文章からは、焦りが少しだけ読み取れた。
でもさ、私と会って話すことって何？
本格的な離婚の話？
それとも瑠璃子さんとの関係を認めろとか、それ系の話？
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まいまい(プロフ) - あー、面白すぎます！！今頃この作品に気づきました。渉さんが愛に気づくことが出来ますように。こういうストーリーに入り込んだのは初めてです。とても面白くて、大好きなお話です。 (2021年5月4日 7時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - keitoさん» 確かに！なんかその２人、しっくりきますよね！言われてみればって感じで納得です！ (2018年12月20日 13時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - saryuさん» はじめまして。コメントありがとうございました。今のところ毎日更新ですが、いつ止まっちゃうかわかんないんで、ちょっとドキドキしながら書いてます(/ω＼) (2018年12月20日 13時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - 好きすぎて実写化するならば…と、役者を思い浮かべてます。まずは主人公ちゃん。ガッキー、はるさん…うーん。なんて考えてたらシリアスなシーンでサスペンスかよってつっこんでしまいました。緩急が心地いい(*´ω｀*) (2018年12月19日 11時) (レス) id: 91adf91c90 (このIDを非表示/違反報告)
saryu(プロフ) - はじめまして、毎日ワクワクしながら更新待ってます。 (2018年12月19日 1時) (レス) id: 1be03817b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2018年11月16日 8時
