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「ね、いつもこんな所で買い物してるの？」
だってスーパーだって言うから、普通のスーパーだと思ってたのに、
何故か彼女が向かったのは、百貨店の地下のスーパーだった。
「いつもこんな高い店で買ってるの？」
「当たり前です
最高級のものでないと、私が叱られますから」
最高級って…。
「若葉も一緒に食べてくれるんだよね？」
そう聞いただけなのに、彼女は途端に困り顔になる。
「それは無理です
私が叱られます」
「いいの
私がお願いしてるんだから
それとも、一人で孤独に食事しろって言うの？」
そう詰め寄ったら、彼女は渋々承諾してくれた。
「本家の方々が知ったら驚きますよ？
使用人と食事だなんて」
百貨店を出た時には、すっかり外は日が暮れかけてていた。
若葉が早足で歩くから、私も慌てて後をついて行く。
だけど…、
信号待ちの時、不意に後ろのカフェを振り返ったら、
ガラス張りの向こうで、綺麗な女の人と一緒にいる彼を見つけてしまった。
「…あ」
思わず漏れてしまった声で、彼女も気づいてしまう。
信号が変わってしまったのと同時に、
「行きましょう」
彼女はまた、早足で歩き出した。
「ねえ、これって、
浮気現場を目撃した新妻って感じ？
今の私」
なのに彼女はこちらを見もしないで、早口でこう言う。
「あの方が、例の渉様の前の婚約者だった方です」
驚いて言葉も出ない私に、
「今のは、見なかったことにいたしましょう」
彼女は、さっきよりも早足で歩き出す。
よく観察できなかったけど、彼は相変わらずの仏頂面だったし、
婚約者さんは、綺麗な人だな的な、ぼんやりとした印象でしかなかったけど。
なんとなく、お似合いの２人だった。
「大丈夫です
渉様はこちらに気付いておられなかったようですし、私達だけの秘密にしておきましょう」
彼女はそう言うけど、私はそんな風に大人にはなれなかった。
「ねえ、元婚約者と会う理由って何？」
彼女はしばらく考えてから、
「私にはわかりかねます」
と、ビジネスモードで答えてくる。
だからわざと、
「これが不倫なら、私が有利な方向で離婚できるよね？」
そう切り出したら、ようやく彼女は本音をポロリと漏らした。
「あの方は、まだ渉様のことが忘れられないのかもしれませんね
結婚が破談になった時も、寝込んでしまわれたと聞きましたし…」
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まいまい(プロフ) - あー、面白すぎます！！今頃この作品に気づきました。渉さんが愛に気づくことが出来ますように。こういうストーリーに入り込んだのは初めてです。とても面白くて、大好きなお話です。 (2021年5月4日 7時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - keitoさん» 確かに！なんかその２人、しっくりきますよね！言われてみればって感じで納得です！ (2018年12月20日 13時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - saryuさん» はじめまして。コメントありがとうございました。今のところ毎日更新ですが、いつ止まっちゃうかわかんないんで、ちょっとドキドキしながら書いてます(/ω＼) (2018年12月20日 13時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - 好きすぎて実写化するならば…と、役者を思い浮かべてます。まずは主人公ちゃん。ガッキー、はるさん…うーん。なんて考えてたらシリアスなシーンでサスペンスかよってつっこんでしまいました。緩急が心地いい(*´ω｀*) (2018年12月19日 11時) (レス) id: 91adf91c90 (このIDを非表示/違反報告)
saryu(プロフ) - はじめまして、毎日ワクワクしながら更新待ってます。 (2018年12月19日 1時) (レス) id: 1be03817b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2018年11月16日 8時
