一話 ページ2
Aside
幼い頃から、自分の耳が大嫌いだった
聞きたくもない心の声
あちこちから聞こえる悪口
_＿あいつ、嫌い
＿＿あぁ、○○うぜェ笑
＿＿あいつマジ死ね〜笑
その度が心が蝕まれていく
だから、心を閉ざした
でも、やっぱり声は聞こえてくる
この狂った世界から逃げ出したくて堪らなかった
『……鳥居坂。
……入りたい』
外界からの声を遮断するために
学校も行かず
家に引きこもっていたボクは
ネット依存症になり
ある日、スマホをいじっていたら
『鳥居坂46 オーディション開催！！』
という字が目に入った
もともと、アイドルは好きだった
乃木坂46とか。
オーディションに応募した日から
毎日、心臓がどくどくしていた
一次、二次……と、審査が通る度に
「ボクは変われる」
と、信じていた。
最終審査当日＿
『岐阜県出身、成瀬Aです。
ボクは自分を何が何でも変えたくて
オーディションを受けました』
そのあと、歌唱審査やダンス審査
ずっと積み上げてきたものを
見せつけた
「では、合格者を発表させていただきます
番号が呼ばれた方は檀上へ」
ボクは52番
＿52番
番号が呼ばれた瞬間、心臓が跳ね上がった
＿あの子可愛くね笑
＿乃木坂の妹分か
記者の人達の心の声が聞こえてくる
なんだ、オーディションに受かったって
ボクの耳は変わらない
でも、もう負けたくない
そんなことを思ってた
今泉「ねぇ！」
『っ！……は、はい』
今泉「ずっと可愛いなって思ってたんだ！
私、今泉佑唯！」
『……成瀬Aです』
今泉「じゃあ、Aちゃんって呼んでいい？」
＿可愛いなぁ。
＿仲良くなるかなぁ
っ……。
今まで聞いた事のない暖かい声
今泉「どうしたの？」
『…………』
今泉「Aちゃん？」
『……あ、すみません』
今泉「ううん！大丈夫
それより！タメ口でいいよ
私の方が年上だし！」
＿仲良くなりたい
＿歳下とは思えない
＿大人っぽいなぁ
まただ。
なんか、やけにはっきり聞こえる
やめて。
そんな言葉
聞かせないで……！
next...
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優 - 本当にすごいです。なんだろう、言葉が出ないくらいです。泣きました。色々と考えさせられました。ありがとうございます。 (2022年4月29日 21時) (
レス) @page20 id: 9c0ba7a296 (このIDを非表示/違反報告)
みりぽん - すごい、ですね。……すごくいい作品だと思います。心に響きました。応援しています。 (2020年3月15日 1時) (レス) id: 5ba7fc14d4 (このIDを非表示/違反報告)
クラクト(プロフ) - さききさん» ありがとうございます！ますます精進致しますのでご贔屓のほど、よろしくお願い致します！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: f25e698725 (このIDを非表示/違反報告)
さきき - 新作ですね！ありがとうございます！！！応援しています。 (2019年11月24日 20時) (レス) id: 97f71203b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クラクト | 作成日時：2019年11月10日 5時
