Story 1 ページ1
Ki side
「えっ!?今日飯行くんじゃなかったの!?」
「俺、友達と行くよ?」
「俺も家族とディナーだわ、」
「みつは?」
「俺、7人でてっきり飯だと…」
「うわ、それおじさんが言っても可愛くないから」
「でも北山さんが言うとかわいいよ」
「ごめんね、クリスマス一緒に居れなくて、」
「なっ、そんな、」
「あーいいからいいから!寂しがり屋の北山宏光って覚えておくから!」
「どういうことだよっ!」
「じゃあ、みつも誰か捕まえなよ!」
「ちょ…」
バタン…
あ、ごめんごめん、初っ端から会話多すぎたな 笑
北山宏光、33歳。独身。もちろん彼女もいない。
今年も一緒だと思ったメンバー達にも裏切られ、世にいう “ クリぼっち ” を迎えそうで、少し、いや大分焦っている。
あっという間に静まり返った楽屋で、自分の荷物をまとめる。…別に誰かに会うわけでもないんだけど。
ガサゴソ…
「うぉっ!?…びびった…」
「急にでかい声出さないでよ…心臓止まるかと思った…」
「わ、わり…」
なんで俺がびびったかっていうと、俺以外帰ったはずの楽屋に、まだ1人残っていたからだ。
「藤ヶ谷、まだいたのね」
「まぁね」
「とっくに帰ったかと思った」
「俺もとっくに楽屋出てるつもりだったよ」
そう言うと藤ヶ谷は、大きくため息をついてソファにどかっと座った。ん〜…なかなか不機嫌らしい。
「…俺だって7人でご飯行くと思ってたし」
「ぅえええ!?…藤ヶ谷も?」
「だって昨年も行ったし、結成日も行ったし、ってなったらクリスマスも行くでしょ!」
「おーおーおー、だよな、俺もそうだと思ってた」
どうやら勘違いしてたのは俺たち二人だけみたい。
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作者名:あんころもち | 作成日時:2018年12月24日 23時