少しの午睡 ページ9
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あまりにもストレートに言葉を向けてくる一歌を病気なんじゃないかと疑った私は、一歌のおでこにぺたっと手を当てた。
「えっ……ちょっ、A！？」
「熱はないか……」
「あの……A……近い………」
なんて言いながらも嬉しそうに頬を緩めている一歌。
いつもの一歌のイメージなら慌てて離れたりしそうなのに、まったくその場から動かず私へ視線をがっちり固定して離そうともしてこない。
「今日の一歌、やっぱり変だよ」
「…Aもそう思う？」
「うん」
「そっか……」
自覚は少しあったらしい。
さっきも授業に集中できなかったと言っているし、昨日本当に眠れなかったんだな…と同情すると同時に、私の責任でこうさせてしまったという謎の罪悪感まで出てきた。
「一歌……昼休みあと30分はあるし、ちょっと仮眠したら？」
私達の昼食はすぐに食べ終わったから、休み時間はたっぷりと残されていた。
「えっ？でもせっかくAと一緒にいるのに──」
「一歌が授業に支障きたしてるのは私のせいでもあるし、それ以上に変なこと言われたら私が持たないから……ちょっと寝て回復してよ」
この一歌の変わりようが寝不足のせいなら……寝れば治ることならば、早く寝て治してしまって欲しい。
素直に言って、私から彼女への恋愛感情は一切ないにしても、さすがにこんな顔のいい女子に口説かれたら結構……アレだから。
「でも、ここで寝られるかな………」
「私の肩に寄りかかっていいから」
私がそう提案した瞬間、一歌がびっくりしたように目を見開いた。
「いいの？」
「いいってば。というか一歌、顔よく見たら目の下にクマできてる」
「え……Aにそんなに見つめられてるなんて、照れるな……」
「視点そこなんだ……」
好きな人に目の下のクマを見られたら恥ずかしいって思うような気がするけど……まあこれも一歌の思考力が鈍ってる結果だから仕方ないのかな？
それならますます一歌の睡眠が必要になってくる。
「一歌は……私とくっつけるチャンス逃すの？」
私の考えた渾身の自惚れセリフは、やはり一歌には効果抜群であった。
「〜っ！寝る！寝るよ………」
そう言いながら控え目に私の肩に寄り添ってきて、静かに目を閉じた一歌。
「あとで起こしてあげる」
「……ん」
──こうして、何分もかからずにすっかり寝入ってしまった。
「睡眠って大事なんだな……」
起きたら少しでもいつもの一歌に戻っていますように。
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やに(プロフ) - 天霧さん» コメントありがとうございます！最近忙しくて更新できてなかったのですが頑張ります！ (2022年1月19日 18時) (
レス) id: ef528e0a32 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！頑張ってください応援してます！ (2022年1月15日 13時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
やに(プロフ) - あきいろさん» ありがとうございます！一歌めちゃくちゃ好きで書いてるので嬉しいです……！！ (2021年10月17日 12時) (レス) id: cc14c05e3a (このIDを非表示/違反報告)
あきいろ(プロフ) - 主さんのいっちゃん、とってもかわいくて大好きです！！ 応援してます！ (2021年10月16日 22時) (レス) id: 0956892be9 (このIDを非表示/違反報告)
やに(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます♪ 前の作品まで見てくださってありがとうございます……(泣) 今回は更新停滞しないように頑張ります！めちゃくちゃ嬉しいです〜 (2021年10月13日 21時) (レス) @page7 id: f3260d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年10月7日 18時
