片想いされています！！【星乃一歌】

なんで私が…！？ ページ3

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「……それ、資料室に持っていくんでしょ？」

「うん、そうだけど……」

「じゃあ私が半分持つよ。鞄もあるでしょ？」


そう言いながら私が持っていたプリントを半分以上持ってしまった一歌。
悪いと思う気持ちと、さっきからある気まずい感じが重なって、早く着いてほしい……と思いながらずっと沈黙して歩いていた。

(なんだろう……この重い空気)


放課後で部活も休みの日だったからか、廊下はほとんど誰も通る気配がなく静かだ。


「A、どこ行くの？ もう着いたよ？」

「えっ！？ あ、ああ……」

「私がドア開けるから、先入っていいよ」

「うん……」


そこまでしなくても……と思ったけど、私は「先に入って」と促してくる一歌に大人しく従って運んでいた荷物を置く。

後から一歌も入ってきて、ガチャリと部屋の鍵を閉めた音が聞こえてヒヤッとする。


「ねえ、A……言いたいことがあるんだけど」

「は、はいっ！？」


私は内心ビクビク震えていた。
好きな人のことを口止めされるのか、喧嘩売られたりするのか……だって一歌が纏っているオーラが尋常じゃないから。普段はあんなに無害そうな感じなのに……！


「あ、いや、そんなに怖がらないで聞いてほしいんだけどね？」

「う、うん……」


ごくり



「えっと、す……好きですっ！！」

「……は？」


好き？何が？


「え……えっとね、さっき本当は一緒に帰ろうって誘ってみなよって咲希に言われてたんだけどね、やっぱりあのタイミングでAに会えるってその……運命かもって気がして、たぶん今しかないって思って、だからもう思い切って告白しちゃったんだけど──「いや待っておかしい」


一歌が顔を真っ赤にしながら目をぎゅっと瞑って、呪文のように何かを唱えだしたから一旦止めた。


「ちょっと理解できない……何が好きなの？」

「Aが」


どうしてそんな簡単に言ってのけるんだろう……


「なんで好きなの？」

「えっ！な、なんだろう……一目惚れ……かな……？」


そう言う一歌はいつものクールフェイスなんかすっかり崩したデレデレの照れ顔だった。こんな顔するんだな……と感心してる暇もなく追撃が来る。


「学級委員の仕事で会ってた時、一生懸命頑張ってる所が素敵だなと思って見とれてたら……いつの間にかAが好きになってたの」

「へ、へぇ〜……」

「うん──それで、返事はどうかな？」


急にそんなこと言われても………どうする、私！？



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