【HP】ジョージ・ウィーズリーと結婚するお話⑫＊謎のプリンス＊ (ページ12)

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フレ「ジョージ、今夜は帰っていいぞ」

ジョ「いや、それは…」

フレ「いいからいいから！」

フレッドはジョージの肩をポンっと叩くと、杖を振って散らかっている棚を整理整頓し始めた。私はフレッドの手伝いをしようと杖を裏ポケットから取り出した。真似して杖を振って散らばった、だまし杖をきっちりと容器に入れた。

フレ「いいっていいって！それより早くお腹の音を鎮めてこいよ！さっきからグーグー鳴ってるぞ！」

「もう嘘つかないで！お腹の音なんて鳴ってない……鳴ってないよね？」

自分のお腹を撫でながらフレッドに聞くと、フレッドは鼻を鳴らして笑った。ジョージを見ると同じ表情で笑っている。

「とにかく！私も協力すればフレッドもジョージもベリティさんも早く帰れるでしょ？私もお店の力になりたいの！」

パチンとウインクしてから、杖を振って片側に寄っているインスタント煙幕を均等に配置した。フレッドは何か言いたそうに数秒ほど私を見てから、わざとらしく肩をすくめた。

ジョ「諦めろフレッド。俺の彼女は頑固だからな」

フレ「ああ、よく(・・)知ってるよ」

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次の日、少しだけ寝不足の私はいつも通りの身支度を済ませ、魔法省に出勤した。昨日ジョージと食べたステーキの味を思い出しながら、エレベーターに乗り2階に降りた。コツコツと足音を鳴らしながら、自分のデスクに座った。最新の情報が書かれた書類がデスクの上に置かれていたので、目を通していると、おはようと声をかけられたので顔を上げた。

「トンクスさん、おはようございます」

トン「おはよう……」

私はトンクスさんを二度見した。なぜなら彼女の髪色がくすんだ茶色だったからだ。トンクスさんの髪の毛はいつも派手だ。風船ガムのようなピンク色の日もあれば、金髪の日もある。どの色も似合っていて素敵だけど…今の色は彼女らしさを感じない。

「……何かあったんですか？」

トン「うん、まあね…プライベートなことでちょっと…仕事関係じゃないから気にしないで」

トンクスさんは無理矢理笑顔を作ると書類を読み始めた。これ以上は何も聞かないほうがいいと思い、私も書類を読むことに集中した。