【呪術廻戦】特別な眼を持った女の子のお話＊③【五条悟】 (ページ31)

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＊１２９.婚約届ページ31

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五「…全く、Aらしいよ。…で、返事は？」

「凄く嬉しいけど、五条家当主に嫁ぐプレッシャーが……私で大丈夫かな？」

五「そこは心配しなくて大丈夫だよ。話は付けてあるし」

ふっと五条君が笑うともう一度、薔薇の花束を差し出したので今度は迷う事なく受け取った。嬉しくて五条君に抱きつくと優しく抱きしめ返してくれた。

「綺麗な赤い薔薇だね。もしかして行きつけの花屋さんで買ってきてくれたの？」

五「うんそうだよ。何本あるか数えてみて！」

「１、２、３…３５、３６…うん、何処まで数えたか分からなくなった。ごめんね、これ何本あるの？」

五「１０８本だよ。意味は自分で調べてね」

分かった、と頷くと五条君は書類を懐から取り出した。私に見えるように開いて見せると、1番上に"婚約届"と大きく書いてあった。五条君はすでに書き終わっていて印鑑もしっかりと押してあった。

五「これ書いてね。ちなみに日付はいつがいい？僕は明日でもいいよ」

「うーん…急すぎて思いつかないな。とりあえず書類を書いてからゆっくり考えてもいい？結婚記念日は大切だと思うから時間が欲しいの」

五「うん分かった。待つけどなるべく早くしてね」

五条君はわざとらしく拗ねたように唇を尖らせると、引き出しからボールペンと私の実印を取り出して手渡した。そしてまた懐から書類を取り出し、テーブルの上に並べ始めた。

五「じゃーん！何回でも失敗しても大丈夫だよ！」

「１０枚も婚姻届用意したの！？しかも全部丁寧に記入してあるし印鑑まで押してある…」

五「いやー、書くの楽しくなっちゃってさ！」

「こんだけ書けるようになったなら学生の頃と違って、報告書もちゃんと隅々まで書いて提出してるんだよね？」

五「いや？それは伊地知に押し付けてる」

呆れた顔で五条君を見たが、平然とした態度で今度は封筒を取り出した。受け取り中身を見ると、私の戸籍謄本が入っていた。婚姻届を提出する時に必要らしい。

五「あ、そうだ挙式なんだけどAはウエディングドレスと白無垢、どっちが着たい？五条家の仕来りで神前式で挙げる人が多いけど、Aが教会式がいいならそっちでも全然大丈夫だよ！」

「ええ、うーん…どうしよかな。結婚って考えることがたくさんあるんだね…」

はぁ、とため息を吐きながら左手の薬指を見つめた。