・ ページ42
・
アン「冷めないうちに飲んでね。さてと、ミス・A……昨夜の残念な時間のあとですから、ちょっとお喋りをしたらどうかと思ったのよ」
先生はチラッと紅茶が入ったカップを見てから、ニッコリと微笑んだ。
アン「飲まないの？」
「すみません、私は猫舌で…」
アン「…あら、そう」
先生は焦ったそうに立ち上がると、窓の外を眺めた。その隙に私はローブの内ポケットに隠しておいた小瓶の中身をカップの中に入れた。3滴ほど入れると、紅茶の色が茶色から黒色に変化した。間違いない、この紅茶には真実薬が入っている。
紅茶の色が変わったことに気づかれる前に、飲み干さないといけない。私が入れたのは真実薬の解毒薬だ。薬の効果が出ると、どの飲み物も真っ黒に変化する。
カップを手に持ち、ふうふうと息を吹いた。時間をかけて紅茶を飲み干したあと、ソーサーの上に戻した。カチャリと食器がぶつかる音がすると、先生は振り返りカップの中を覗き込んだ。
アン「そうそう、それでいいわ…さて、それじゃ…」
先生は椅子に座り直すと、少し身を乗り出した。
アン「アルバス・ダンブルドアはどこなの？」
「知りません」
アン「ダンブルドアがどこに行ったのか、あなたが知っていることは分かっているのよ。あなたとダンブルドアは、初めから一緒にこれを企んでいたんだから」
「いいえ、知りません。むしろ教えてほしいです」
アンブリッチ先生は不機嫌な顔をした。どうやら真実薬を飲んでいると思い込んでくれているようだ。
アン「では質問を変えます。シリウス・ブラックの居場所を知っていますか？」
「シリウス・ブラックですか？いいえ、知りません」
即座に答えると、面白くなさそうに首を捻った。少しの沈黙の後、アンブリッチ先生は小さくため息を吐いた。
アン「いいでしょう、A。今回は信じておきます。しかし警告しておきますよ。わたくしは魔法省が後ろ盾になっているのです。学校を出入りする通信網は全部______」
先生が喋っている途中で何かが爆発する音が響いた。部屋の床が揺れて、先生が慌ててテーブルにしがみついた。ついさっき飲み干したカップが床に落ちて、甲高い音で割れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1023人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
不思議の国のきゃさりん(プロフ) - セブ推しさん» わあ、いいですね(^^)楽しんできてください✨ (2022年6月14日 11時) (
レス) id: ebe400c457 (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し - いえいえ、ゆっくりで大丈夫ですよ。(*^▽^*)こちらこそありがとうございます。実は、来週ユニバに行くのですが、セブルスのクッションを抱いて回ろうと思ってます！伸び耳も買ってきます(*´꒳`*) (2022年6月11日 15時) (レス) id: f4e9994b12 (このIDを非表示/違反報告)
不思議の国のきゃさりん(プロフ) - セブ推しさん» ありがとうございます(^^) 最近あまり更新できず申し訳ないです。温かいコメントありがとうございます(*^^*) (2022年6月5日 23時) (レス) @page49 id: ebe400c457 (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し - 最近コメントの頻度が減ってきていますが、ちゃんと楽しませてもらっているので安心してください！お体に気をつけて。 (2022年5月27日 21時) (レス) id: 0279344f62 (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し - こちらこそお返事嬉しいです！ありがとうございます。解毒薬､､､なるほど、頭良い！(*⁰▿⁰*) (2022年5月12日 17時) (レス) @page42 id: 01d86ea342 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：不思議の国のきゃさりん | 作者ホームページ：http://ttttt
作成日時：2022年2月23日 13時
