詰め合わせヒーローズ！ (ページ7)

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▽その２△ ページ7

お昼休み、
みんなは食堂へ行ってしまった。

私はというと、昨日作りすぎてしまったおかずを消費するべく
屋上でひとり寂しくお弁当のふたを開けているのだった。

フェンスに寄り掛かって空を見上げる。
さっきの出来事を思い出す。

「そういえば...」
切島くんが私のこと呼んでたなぁ、って。

急ぎの用事ではなさそうだったし放課後でいいか。
人気者の切島くんは今頃みんなと一緒にいるだろう。
そんな空間を邪魔するのも悪いし。

それからどのくらいの時間がたっただろう。
そろそろ食べ終わるってとき。

ギィと思い音がして、屋上の扉が開く。
入口の方を向けばよく見知った顔が。

「切島くんっ.....！？」
「おー、いたいた」

そう言って私の方へ近付いてくる。

「さっき、話があるっていったろ？」

隣、いいか？
そう言って私の隣に腰を下ろす。

「話って？」
中々話しださない彼の顔をのぞく。

「いや、さ、」

普段の漢らしい雰囲気は何処へ行ったのか

「Aって、その好きな奴とか....いたりするか？」
「えっ」

突然のことに間の抜けた声が漏れる。

「....いるよ。切島くんは？」

「俺は.....」

さっきまで宙を泳いでいた視線が私に合わせられる。

「俺は、A。

お前が好きだ.....!」

彼の口から発せられた言葉に耳を疑う。

切島くんが、私を、好き。

意味を理解するのに、そう時間はかからなかった。

「それで、その.....」
戸惑う私を横目に、切島くんは言葉を繋げていく。

「よかったら付き合ってほしい」

きっと、いまの私の顔は切島くんの髪の毛より真っ赤だろう。

「私で....よければ！」

いま、私は人生で一番幸せな瞬間を体験している。
ずっとこの時が続けばいいのに、なんて考えていた矢先
調子外れにチャイムが鳴る。

「鳴っちゃったな」

二人で笑いあう。
こんな些細なことでさえ楽しいと感じるのは
きっと彼だからだろう。

「行こうぜ、」

そっとてを差し出してくる彼に、
引いたはずの顔の熱が戻ってくる。

教室に着いて、
女子達に顔の熱を詮索されたのは言うまでもないだろう。