【そらる】この秘密は私しか知らない (ページ3)

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story 2

『キミって俺を助けに来たんだよね？』

そう問いかける彼に、私は咄嗟に頷く。

｢もちろんです！

私になにか出来ることはありますか！？｣

この私の答えを聞いて、彼は安心したかのように、微笑む。

今まで見たことのない、少し意地悪気な表情で

『今言ったことわすれんなよ。』

彼はぶっきらぼうにそう言って、私に近づいてくる。

そして、次の瞬間……

｢痛っ！｣

じわじわと首筋が熱くなるのがわかる。

｢なに……これ………｣

すると、自分の首筋から赤い液体が流れているのがわかった。

｢い、一ノ瀬先輩……どうしたんですか………？｣

耳元で彼が何かを飲んでいるような、液体が喉を通る時の音が聞こえる。

これって、もしかして………

『っさいな。

黙って俺に血をさしだせばいいんだよ。』

私の知ってる一ノ瀬先輩じゃない………

でも、あれ？私は彼の何を知ってるんだろう。

もしかしたら、今の彼こそが本物の彼じゃないのか？

私は黙って色々なことを考えていた。

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