△９６「新たな一歩」 ページ27
△
いづみ「と、ここまで１０組、２０人の人たちと相部屋してみて、率直にどう思った？」
どう思った………か………
「少し暗い話をするならやっぱり男の人が近くにいるのは怖かった。」
この言葉に周りの空気が冷えるのがこちらまで伝わってきた。
「どうしても父を思い出してしまう。」
それでも、話は続く。
「でも、一概に男性を怖がらなくてもいいんだとも思った。」
ゆっくり、一言一言に思いを込めて、丁寧に話を続ける。
「男性が近くにいて怖くなっても、みんなだと知れば自然とその怖さは無くなったんだ。」
周りの空気もようやく暖かいものに変わろうとしていた。
「あと、少しはちゃんと女として生きるのも考えてみようかと………」
私はもう今までの私じゃない。
まずは小さな一歩。
それでも前へ進みたい。
.
��いづみ side��
「何してるの！？」
A「えへへ、服とかよくわからないので、みなさんに意見を聞いてて………」
そう話す彼女はまるできせかえ人形のように扱われている。
そんな彼女に私は腹を立てている。
嫉妬？違う、そうじゃない。
だって………
「メイド服とかナース服とかポリスに
チャイナドレスまで………
これは、着る必要ありますか！？」
この衣装は誰がどうみても、ただの私欲しかない。
それをすんなり着ちゃうAちゃんのこの先が心配になる。
「あっでも、こんな格好をするのはこの寮だけですし、求められたら何でも着たいです！！」
無邪気に瞳を輝かせられると、つい甘やかしそうになる。
いづみ「ここの団員さんたちはみんないい人だよ？
だけど、こういうのはさすがに受け流さないと。ヒートアップしてきちゃうから……ね？」
少し甘すぎたかような気がしたが、Aちゃんのことだ。
きっと分かってくれ………
「はい！心配ありがとうございます！
でも、大丈夫ですよ♪
みなさん、カントクさん以外に興味ないですから！」
なかった！！！
Aちゃんは自分の想いには盲目なのに、自分に向けられる想いにはサッパリ過ぎるくらいサッパリで………
今の彼女にはもう何を言っても伝わらないような気がしてきた。
.
▲shitoron’s birthday 2017.5.15 1/2→←▲ special thanks story -winter-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゃらめるみるく(プロフ) - なっちゃんさん» 臣クンの件はすぐに修正させて頂きました！！感想、ご指摘、応援の言葉まで、、、本当にありがとうございます！ (2017年4月30日 8時) (
レス) id: c20bb74c80 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - すごく面白いです！ ただ太一くんは臣くんのことを「臣クン」と呼んでいたような・・・ これからも頑張ってください！ (2017年4月30日 6時) (レス) id: e03921e1e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きゃらめるみるく | 作成日時：2017年4月25日 21時
