△84「事件発生!?」 ページ43
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あれ………ここどこだっけ………?
いつの間にか意識を失っていたみたいだ。
『あれ?起きた?』
あ、そうか………
呼び出されて視聴覚室に来たんだっけ?
「ごめん、意識失っちゃって………って………!?」
目の前に現れたのは、ネクタイは外れ、シャツは少しはだけた柊木くんだった。
「ひ、柊木くん……服………」
驚きと動揺で明らかに語彙力が欠けている。
『それならキミも同じだよ?』
彼の言葉を聞いて恐る恐る自分の衣服を確認する。
リボンは解け、シャツのボタンはいくつかあいている。
「わわっ私なんてことを!!」
慌ててボタンをしめようとしていると、彼がこっちへと近づいてきた。
『キミの瞳も、キミの肌も、キミの声も、キミの性格も………
全部好きだな………』
彼の体が、顔が。
だんだん近づいてくる。
思い出したくない思い出が鮮明に蘇ってくる。
やめて
ただその一言なのに………
どうして………
………声が出ないの?
このままだと………
「A!!!」
この声って………
『お前らどうやって入ってきたんだよ!?』
万里「ここの鍵くらい、俺にかかればハリガネでじゅーぶんだ。」
真澄「………!!」
咲也「大丈夫?」
みんなが助けに来てくれたんだ………
『……俺はコイツの秘密知ってる』
秘密………?
もしかして…………
万里「どーゆー意味だよ。」
『コイツ、Aなんだろ?』
どうしてそれを………
変装が上手くいかなかった?
声がダメだった?
『瞳も匂いも声だって、Aだったから。』
「そんなに、この変装バレやすかったでしょうか?」
そう聞くと彼は少し考えてからゆっくり口を開けた。
『それくらい好きだってこと。』
彼の頬は近くにいないと気付かないくらい薄く赤く染まっていた。
あぁ。この感情、知ってる………
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作者名:きゃらめるみるく | 作成日時:2017年4月10日 1時