求婚...年の差２ (ページ23)

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２３話目ページ23

「デクさんに憧れられてたとか！勝己兄ちゃんすごい！」

俺とデクの間にあった闇を知らず、Aは無邪気に拍手をしてくる。

「...こいつが...デクがドン臭かっただけだ。立派な個性を使いこなせなかったこいつがな。」

「や、やめてよ、かっちゃん。僕はボールじゃないから。」

「デクさんの個性は素晴らしいですもんね！コスチューム作ってみたい！って思ってしまいます。」

キラキラした目をデクに向けるAの額を軽く叩いた。

「わかってるよ...勝己兄ちゃん以外のコスチュームは作りません。」

「爆豪くんって、独占欲強いんやな。ま、見た目そのままか。」

モグモグと揚げ餅を口に含みながら丸顔が話しかけてくる。

「ち...ちげぇわ！黙っとけや！」

「すごいAちゃんの事を大切に思ってるのがわかる。」

叩かれないように頭を守り、ニッコリと笑うデク。

「...もう喋んな、アホ...。」

「勝己兄ちゃん顔赤い〜！飲み過ぎた？」

「んな位では酔わねぇ！飯食え、飯！丸顔、こいつに白飯！」

「はい、はーい！」

両手をあげ、ヘラヘラ笑ってキッチンに向かう。

「かっちゃん、まだ飲む？ビール取ってこようか？」

「...おう。」

いそいそとビールを取りに行ったデク。

誰も居ない隙に、Aを抱き寄せて唇を合わせる。

「ん...お酒臭い...。」

「...るっせ。」

「勝己兄ちゃん、大好き。」

「あ？俺のが好きだわ。」

足音が聞こえてきて、俺らは体を離し、何事も無かったかの様に振る舞う。

「はい、ご飯どうぞ！爆豪くん、ビール注ごうか？」

「ありがとうございます！いただきます！」

「...自分でやる。デクは？」

「トイレに行ったよ〜。」

丸顔は玄関の方を指さして、床に腰を下ろした。

「あ、勝己兄ちゃん！言うの忘れてた！私...今回の件でコスチュームのテスト、上位に入れなくなったと思う。」

「あ！？」

「ペナルティ...だね。仕方ない。また頑張る！」

筑前煮を口に運び、「美味しい！」と白米にパクつく。

「コスチュームテストって何？かっちゃん？」

トイレから戻ってきたデクが俺の隣に座りながら聞いてきた。

「サポート科でよ、好きなヒーローの研究して、改良案を提出するっつうやつで。上位３位以内に入ったらヒーローに提案して改良手伝わせてもらえんだとよ。」

「へぇ...残念だったね。Aちゃんはもちろん爆心地でしょ？」

「はい。爆心地以外は考えられません。」

丸顔は頷きながらAの頭を優しく撫でた。