求婚...年の差 (ページ10)

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１０話目ページ10

(家が隣で普通...年賀状寄越すか？)

ふっと鼻で笑いながらAの年賀状を読んだ。

『明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

今年で14歳になります。早く大きくなりたくてもうまくいきません。って、当たり前だよね。

勝己兄ちゃんにとって良い年になります様に。

怪我に気を付けて、お仕事頑張って下さい。

大好きです。 A』

初めて会った次の正月から、毎年届く年賀状。

俺は１度も年賀状なんて返した事ねぇのに送ってくる。

そして文面の最後には必ず「大好きです。」と書き込まれていた。

(年賀状はラブレターじゃねぇっつーの！)

ベッドから体を起こし、パソコンデスクの上の箱を開けて、年賀状を挟むファイルを取り出した。

１枚１枚確認しながらその中に収めていく。

Aの年賀状は１枚後ろの大きめのスペースに挟み込む。

(...今年で５枚目か。)

そこには今までに送られてきた年賀状が４枚。

５年分の大好きが詰まった...妙な年賀状...。

「さっさと好きな奴...見つけろや。」

俺は独り言を言いながら、ファイルを閉じた。

「あ、もしもし！爆豪くん！？うわぁ、久しぶりぃ〜。あ、明けましておめでとうございます！」

「んだよ、丸顔...。」

高校時代のクラスメイトから...また飲み会のお誘い。

「てめぇらみてぇに暇じゃねぇんだよ、こっちは。」

「あ、ＣＭ出てたね、コーラのＣＭ。私も暇ちゃうよ〜？」

「...切るぞ。」

「うわ、待って、切らんといて！明日の夜、ちょっとでも顔出されへんかなぁ...？」

「あぁ？めんどくせーな。何かあんのかよ？」

「爆豪くん、忙しいなら良いや。うん、ごめ「何処でだ...？」」

「...え？」

「...何処で集まるんだって聞いてんだろうが！行くわ！行き殺したるわぁぁ！」

「み、耳痛いっ！叫ばんといてよ、爆豪くん...。えっとね、〇〇駅の前の...」

「おー！爆豪、久しぶりぃ！すごい大活躍じゃ〜ん！」

「るせぇわ、黒目！」

指定された居酒屋に行くと、既に出来上がってる奴が数名。

「あ、かっちゃん！」

幼馴染みであり、高校のクラスメイトでもあったデクが話しかけてきた。

今やNo.１ヒーローとして、平和の象徴として、メディアに現場に引っ張りだこになっている。

「来てたんかよ。よく来れたな、デク。」

「うん！かっちゃんもね！もう少ししたらテレビ局に行かないといけないんだけど。」

デクは頭に手を当てて、ヘヘッと笑った。