求婚...年の差 (ページ8)

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８話目ページ8

「爆豪...もうちょっと優しくしてやれねぇの？Aちゃん、すげぇ悲しそうな顔してたぜ？」

「あ？悲しそうな顔？あいつがいつまでも俺に執着してきやがるから。」

Aが席を立った途端に、アホ面は俺に注意をしてきた。

「好きなんだよ？爆豪の事...。こっちは大人なんだからさ、諦めてくれるまで優しくしてやれよ？...あちっ！」

テーブルに届いたフライドポテトを口に運ぶアホ面。

「優しくって...普段はほとんど会わねぇし、そのうちに諦めんだろ。ところでよ...」

その後、トイレから戻って来たAはいつもより元気が無い様に見えた。

さっきの男のせいだろうと思っていたが、そうではなかったようだ...。

「ふー！腹いっぱい！悪ぃな、爆豪、奢ってもらっちゃって！」

「今度返せよ、四川風麻婆豆腐よろしく！」

「了解！じゃあね、Aちゃん！学校頑張ってね！」

ヒーローらしくAに握手をしたアホ面...。

(今更ヒーロー面すんのかよ...。)

「はい。上鳴さんもお仕事頑張って下さい。」

バイクの後ろにAを乗せると、自宅に向かって走らせ始めた。

ブォン...。

「おら、着いたぞ。」

Aは背中にくっついたまま、バイクから降りようとしない。

「おい、いつまでくっついてんだ。もう夜も遅ぇ。明日は学校あんだろ？」

「勝己兄ちゃん...私をお嫁さんに...してくれないの？」

「するもしねぇも...何歳違うと思ってんだ？」

「...７歳。」

「お前はちゃんと高校出て、就職して、適齢期になってから良い男捕まえりゃ良いじゃねえか。」

「...やだ。」

「やだって...なぁ。もっと小せぇ頃からお前を見てて、どう恋愛感情絡ませろっつーんだよ。」

ひっ...ひっ...とAが泣いている声が聞こえる。

「泣いてどうにかなる問題じゃねぇわ。早く好きな奴作れや？」

「どう...したら...彼女に...して...くれるの？」

「彼女...っかぁ〜。彼女って...。」

何て言えば良いのかわからず、ため息をついた俺...。

「勝...己兄ちゃん...の好きな...タイプ...になる...から。」

「んなら、ガキん時にも言ったけどよ、早く大きくなれや？そん時に考え...たるわ。」

「ん...わかった。」

ゆっくりバイクから降りると、ヘルメットを俺に渡し、そろそろと家の方に向かって歩いて行く。

その後ろ姿を見ながら、胸がチクッとほんの少し...痛んだ様な気がした。