求婚...年の差 (ページ6)

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６話目ページ6

「体調...悪いんっすか、大変っすね。」

「やっ、気分が悪くて...この子に寄りかかってて...」

おどおどと話すその態度が、余計に俺をイラつかせた。

「俺、こう見えても...ヒーローやらせてもらってるんすよね。救助もそれなりにやってるんで、体を診させてもらっても...良いすか？」

「や、もう良くなってきたから。そ、それじゃこれで。」

男は立ち上がってその場を立ち去ろうとする。

「ちょっと待ってくださいよ。体調良くなったんなら...ちゃんと！話を聞かせてもらわねぇとな！！」

男の足を払い、うつ伏せに床に倒れこませると、手足を押さえ込んだ。

「僕は...何もっ！」

「暴れんなや！見苦しいぞ、おら！...もしもし、警察っすか？お世話んなってます、爆心地です。」

「ばっ、爆心...地？」

俺はそのまま警察に通報して、男を引き渡した。

「勝己...兄...ちゃん...。」

俺の手を握り、泣きじゃくるA。

そっと抱きしめ、背中をポンポンとして落ち着かせてやる。

「怖かったな、俺が悪かった。」

「ううん...私が悪いの...。目眩がするって言ってたし、あの人の個性が...怖くて...。」

男の個性は、触れた相手をある一定時間話せなくする個性だった。

助けを求めたくても求められなかった恐怖は...相当のものだったはず。

「Aは何にも悪くねぇよ。美味ぇもん食いに連れてってやるから泣き止め。」

「本...当...？」

真っ赤に充血した目をこっちに向けて聞いてきた。

「おう、だから泣くな。わかったか？」

「...泣かない。」

俺はAに家へ電話をさせると、途中で電話を代わって、経緯を説明した。

「あ、はい。Aちゃんは大丈夫です。俺が目を離した隙に...本当にすんません。晩飯食わせてから帰りますんで。」

電話を切って、Aに手渡すと「デートだっ！！」と嬉しそうに笑う。

(...デート...か。)

またバイクで移動して、ちょっとお洒落なカフェレストランに連れて来た。

「好きなもん食え。」

メニューをAに手渡す。

「おっ、爆豪じゃーんっ！！」

後ろから聞き覚えのある、やかましい声が聞こえてきた。

「えっ、彼女！？」

「ちげぇ！どっか行けや、アホ面！！」

「こんばんは〜！！初めまして！！」

Aの顔をのぞき込んで、アホ面は黙り込んだ。

「え...爆...豪？」

ギギギギ...と俺の方に顔を向け、「ありえねぇっ！」と大声を上げた。