求婚...年の差 (ページ44)

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４４話目ページ44

「...ダメ？」

Aは俺の膝の上から起き上がると、Ｔシャツを引っ張って拗ねた様な声を出す。

「ダメ...じゃ...ねぇけど。」

「...けど？」

風呂場で...Aと...！？

色々な...よからぬ事が頭を駆け巡り...俺は頬をパンッ！と叩いた。

「どんなつもりで...言ってん...だよ？」

「どっ...どんな...って、そんな...つもり？」

「俺が聞いてんだから、聞き返してどうすんだ...。」

「...っ、あの、そのぉ...勝己兄ちゃんが考えてる事と...同じ...だよ。」

顔を真っ赤にして、上目遣いで俺の顔を見つめてくる。

「そっ、そうか...よ。」

「でね、この入浴剤...使お？」

「あ？」

Aが嬉しそうに見せてきた入浴剤を手に取って確認すると、『ローション風呂の素』と書かれていて...俺は頭を抱え込んだ。

「...どうしたんだよ、これ...。」

「んっ？クラスの子に彼氏が居るって言ったらくれたの！楽しいよって！」

無邪気に笑い、早く入ろうと腕にぶら下がってくる。

「もう！！先に入ってるからね！！」

煮え切らねぇ態度を取る俺に痺れを切らし、Aはその入浴剤を手に風呂場に走って行った。

(...高校生があんなもん持ってるって...雄英大丈夫か？いや、サポート科は変わりもんが多い...からか？)

そんな事を考えながらノートパソコンを閉じ、メガネを外して目頭を押さえる。

「勝己兄ちゃ〜ん！！来て、来てっ！！何かすっごいよぉぉぉ！！」

(...そりゃ...すげぇだろうな。)

どんなもんか...大体の察しがつく俺は、ため息をつきながら風呂場に向かった。

「勝己兄ちゃん！！見てっ！！ヌルヌルなのっ！！」

バスタオル一枚の姿で浴槽の横にしゃがみ込み、浴槽の中の苺みるく色をした液体をぐるぐると混ぜて笑っているA。

「...楽しいんかよ？」

肩をガックリと落としながら聞くと「うんっ！」と嬉しそうに笑う...。

「わっ、わわっ！スライムみたい〜！！」

次は、その液体を体に付けて驚いた声を上げる。

「あんま浴槽ん外に出すな。滑んぞ。」

「あ、そっか、そうだよね。」

シャワーに手を伸ばして体を洗い流すと、「勝己兄ちゃんもおいで！！」と手招きをして俺を呼ぶ...。

「...俺もそこに入んのかよ。」

Aが湯船に入って座ろうとした時に、ズルっと足を滑らせて湯の中に沈んでしまった。

「お...ま...アホか！！」

思わず駆け寄って助け出したは良いが、俺もヌルヌルになってしまい、...観念して洋服を脱ぐしかなかった。