求婚...年の差 (ページ41)

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４１話目ページ41

「うわぁ、爆心地のコスチュームだぁぁっ！！んふふ〜っ♪」

俺のコスチュームを出してやると、菓子を与えられたガキみてぇに喜ぶA。

「本人ここに居んだろが...。」

呆れた声で言うと「勝己兄ちゃんと爆心地は違うよ！」と言い返される...。

「私といつも居るのは“爆豪勝己”でしょ？“爆心地”には...まだ会った事ないもん。」

「...爆心地には会わねぇ方が、平和に暮らせてるって事だかんな。ま、好きなだけ見とけや。俺は仕事する...って、んだよ！」

月曜までに作っておいた方が良い簡単な書類を作ろうと...書斎に行こうとした俺のシャツをグンッ！と引っ張ってきた。

「伸びんだろうがよ！」

「ね、ね、着てみて？着てるとこ触りたい！！」

両手でコスチュームを広げて持ち、笑いながら俺に押し付けてくる。

「あ？んで、仕事以外「着て、着て、着て！お願いっ！！」」

「るせぇな、お前は！...はぁ...わーった。着りゃあ良いんだろ、着りゃあ！」

バッとシャツを脱ぐと、顔を赤くして俺に背を向けたA。

(...まだ照れんのかよ。)

“あの日”以来、たまに肌を重ね合わせる関係になっているというのに、いつまで経っても慣れないAがとても可愛く思える。

「おら、着てやったぞ！」

そーっと振り向き、頭からつま先まで見つめたかと思ったら...「わぁぁぁ！爆心地だぁぁぁ！！」と大声で叫び、ぴょんぴょんと跳ねて大騒ぎし出した。

「ね、ね、写真撮っても良い！？うわぁ、かっこいいよぉ！キャーッ！！」

「...なんっか...すげぇムカつくわ。」

Aが俺の事を好きなのは痛いほどわかってるが...コスチュームを着た途端に大騒ぎする姿を見て、イライラしてしまう。

「え？どうして？写真やだった？」

パシャパシャと写真を撮る手を止め、首をかしげて聞いてきた。

「...ちげぇ。自分で自分に腹が立つっつーか、俺は“爆心地“であり、“爆豪勝己”だけどよ...。くっそ、上手く説明出来ねぇ。」

「アハハ、何か自分で自分にヤキモチ焼いてるみたいな言い方〜。」

「...っ！ちげぇ！」

Aの...的確な表現に慌てて否定する。

「大丈夫。ちゃんと私は“爆豪勝己”の方が好きだよ。」

背伸びをして頬にキスをすると、優しい目で微笑んだ。

「...知っとるわ。」

「勝己兄ちゃん、照れてる？顔赤いよ？可愛い〜っ！」

「照れてなんかねぇっ！抱きついてくんな！離れろっ！！」

騒ぐAを何とか落ち着かせ、コスチュームの研究を進めさせた。