求婚...年の差 (ページ32)

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３２話目ページ32

「んん...あっち！」

Aは上着を脱ぐと、バサッと投げ飛ばしてしまった。

「おま...制服投げんじゃねぇよ！！」

それを拾い上げてハンガーにかけながら叱ると、今度はネクタイを投げつけてくる。

イラぁっとして振り向くと、ブラウスのボタンに手をかけ、開けようとしているAの姿が見えた。

「だぁぁぁ！！それは...脱ぐな！！」

両手をしっかりと握り締めて、全力で阻止をする。

「苦しいもん〜。ボタン開けたい〜！！」

「ボタン開けるだけだぞ！絶対に脱ぐな！」

「ん！」

プチプチと何個かボタンを開けると、ソファにまたバタッと寝転んだ。

大きく開いた胸元から...胸の谷間が...見え隠れする。

(いつの間に...こんなデカくなったんだよ...。)

同じクラスだった八百万よりも豊満な胸に...俺は釘付けになってしまう。

「...眠い。」

目をゴシゴシと擦り、呟くように言った。

「ねみぃなら寝ろや。起きたら酔いも覚めてんだろ。」

「んん...勝己兄ちゃんも...寝よぉ？」

タオルケットをまくり上げ、ソファをポンポンとしながら俺を呼ぶ。

(...どこのおっさんだよ、それ。)

呆れた顔をしてAの顔を見ると、ふくれっ面になっていた。

「えいっ！実力行使だぁぁ！！」

いきなり叫びながら、俺の頭に飛びついてくる。

「やめ...ろ！うっとうしいわぁぁ！！」

「寝よ、寝よ、寝よぉ〜！！」

柔らかな胸に顔は包まれ、ユサユサと目の前で揺れる。

「...っ、たの...むから...離れろっつってんだろ！！」

理性がしっかりと働いてる今のうちに離れないとマズイ！と心底思った俺は、無理矢理体を引き剥がした。

ボスッと大きな音を立ててソファに倒れ込んだAは、「バカッ！！」と睨みつけてタオルケットに潜り込んだ。

(...くっそ、疲れる。)

俺は机に座り、書類を手に取ると、仕事の続きを始めようとした。

「勝己兄ちゃん...彼女出来た？」

「眠そうな声で質問してんなや。酔っ払いは寝ろ！」

「出来た？」

「いねぇわ！一人身だわ！！」

「知ってる！？」

「んだよ、うるせぇなぁ。」

「私...もうすぐ16なんだよ。」

「んな事知っとるわ！それがどうした？」

「お嫁さんに...して。」

「あ？お前、彼氏い「居ないよ。そんなの居ない。」」

「はぁぁぁ？雄英に入ったのもそいつを追いかけてじゃ...ねぇのか？」

「私が追い掛けたかったのは...勝己...兄ちゃんだよ。」

他に好きな奴が居ると思い込んでいた俺は...かなりの衝撃を受けた。